なぜかアジアで伸びる国産小麦粉 日本流パンの食感人気が背景に、輸出額最高
共同通信 / 2024年5月18日 8時3分
小麦の生産大国ではない日本で製粉した小麦粉の需要が高く、輸出額が最高となっている。経済成長に伴い食文化が多様化するアジアで、食感が合う日本流のパンなどが人気を集めていることが背景にある。(共同通信=角田隆一)
▽行列店
「味が濃くなくて、自然な味わいが好き。ほぼ毎日来ます」。シンガポール西部ジュロン、日本の町屋を意識した店構えのパン店「五穀七福」で、近くで働く会社員ティーさんは香ばしい「モルトくるみパン」がお気に入りと話す。価格は2.5シンガポールドル(約280円)。地元店のパンより割高だが、レジに行列ができる日が多い。
兵庫県西宮市の製パン会社「カスカード」が現地飲食大手とフランチャイズ契約を結び、2017年に進出。西宮の工場で職人に研修を受けてもらい、日本と同品質の商品提供を目指す。シンガポール国内に9店舗まで拡大した。
小麦粉は全て日本から輸入し、現地で製パン。生産担当の入江敏功専務は日系製粉メーカーの小麦粉は品質にぶれがないと評価。「高温多湿の国で欧州の乾燥したパンは湿気で味が落ちる。日本のパンはもっちりした食感が維持されるのが人気の理由だ」と話す。
▽細かな製粉技術
日本の小麦粉の輸出額(金額ベース)は2023年は前年比7.5%増の138億円で過去最高を更新した。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を批判する中国の食品輸入制限など波乱要因はあるが、需要の総量も落ちていない。
日本の製粉大手幹部は「顧客ニーズに合わせ、細かく仕様を変えて製粉できるのが強み。まだ他国ではまねは難しい」と話す。マレーシアやシンガポールでは、地場資本でも日本製の小麦粉の使用を売りにするチェーンもある。
▽うどんも
華人が持ち込んだ麺文化はあるものの、小麦産地がほとんどない東南アジアは米食文化だ。中間層が増え洋食やパンが広がり、各国で小麦の輸入が増加。中国と首位を争う小麦輸入大国となったインドネシアでは丸亀製麺が100店以上に拡大、嗜好の多様化が進む。
日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)の伊藤哲也シンガポール代表は、日本の食パンを再現するために日本製の小麦粉が必要として、ここ10年で、中国や韓国、台湾などでまず広がったと指摘。最近は東南アジアに波及し「成長が続くインドネシアやベトナムなど人口大国でも、需要拡大の流れは続くのではないか」と推測した。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ジメジメ暑い季節にぴったり!今年もやります!『ラー麺ずんどう屋』夏の人気商品キーンと冷たい『“冷やし豚骨”つけ麺』 夏季限定販売~大盛(1.5玉)・特盛(2玉)まで無料で麺増量も可能~
PR TIMES / 2024年6月18日 18時15分
-
中国がEU豚肉輸入制限も、南米諸国や米ロにシェア拡大の好機
ロイター / 2024年6月18日 7時40分
-
中国自動車メーカー、「日本の裏庭」東南アジアで積極的な動き―中国メディア
Record China / 2024年6月13日 8時0分
-
【特集】新潟県産の「小麦」が人気? コメどころ新潟で小麦の生産が拡大 なぜなのか《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年6月9日 17時15分
-
「やっぱりステーキ」海外での勝算は? “牛肉大国”でも行列ができるワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月25日 6時20分
ランキング
-
1関東から四国は大雨警戒=前線上の低気圧が東進―気象庁
時事通信 / 2024年6月18日 11時55分
-
2対外試合で負けた部員に「全員丸坊主か俺が辞めるか」…大半の16人が丸刈り、教諭を文書訓告
読売新聞 / 2024年6月18日 6時48分
-
3《ポスト岸田》地方議員から飛び出した「岸田おろし」は菅義偉氏が主導する“シナリオ通り”「小泉進次郎氏に覚悟が決まれば一気に擁立へ動く」との予測も
NEWSポストセブン / 2024年6月18日 11時15分
-
4マンション駐車場で転落は中学3年の男子生徒、搬送後に死亡 大阪・吹田
産経ニュース / 2024年6月18日 14時8分
-
5長女の健診結果巡り市議「医師を辞めてしまえ」、小学校医が辞任…「言い過ぎたと反省している」
読売新聞 / 2024年6月17日 22時17分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)