人口950人、小さな村から世界の音を 北海道・西興部のギター工場
共同通信 / 2024年5月20日 8時2分
人口わずか950人ほどの北海道西興部(にしおこっぺ)村に、世界的ブランドのギターのボディーを製造する「オホーツク楽器工業」がある。プロを含め国内外に愛用者が多い「フジゲン」(長野県松本市)のエレキギターの一部が、ここで作られたボディーを使う。工場長の向井地紀幸(むかいち・のりゆき)さん(46)は「僕たちが小さな村で作ったギターが、世界中で鳴らされているんです」とうれしそうに話す。(共同通信=阿部倫人)
オホーツク楽器工業は1990年ごろ、不況で倒産した村の木工所を引き継ぐ形で第三セクターとして設立された。当初は別の会社のギターを扱ったが、現在はフジゲンのエレキギターのボディーだけを職人40人が作っている。
主な材料は広葉樹のシナノキ。へこみがあれば水を吸わせると元通りになるほど、軟らかく加工しやすい素材だという。3分の1が道内産で、残りは米国などから輸入している。木材から削り出した板を貼り合わせてギターの形を作り、研磨と塗装を経て完成するが、ほとんどの工程が手作業で、細かい傷も見逃さない。
中でも高度な技術が必要なのが塗装だ。厚く塗るのは簡単だが、見た目のスタイリッシュさが失われてしまう。特に難しい、色のグラデーションを付けるような塗装を任されるのは工場内にたった2人。向井地さんは「ギターを買う時は、やっぱりかっこいいかどうかが一番なので、こだわっている」と語る。
厳しい現実にも直面している。周辺自治体を含めて人口減少が進む中、従業員の確保や育成が難しく、木材輸入には円安や燃料費の高騰がのしかかる。
「経営は正直大変」と吐露するが、「作ったギターの行き先を考えると夢がある」。2021年からは自給自足を目指してシナノキの植樹も始めた。向井地さんは「メード・イン・ジャパンの品質への信頼は絶対に裏切らない」と強調した。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
事件1年前から経理担当…余罪追及 約2860万円横領の疑いで元課長の男送検 北海道西興部村
STVニュース北海道 / 2024年5月24日 19時54分
-
銀座の街に“奏での庭” 『Ginza Guitar Garden』が今秋オープン
共同通信PRワイヤー / 2024年5月24日 11時0分
-
役場の元課長、無断で“副業”の会社から約2860万円横領 自分の口座に送金100回以上 ギャンブルや競馬に使用「私のやったことで間違いありません」北海道西興部村
北海道放送 / 2024年5月23日 10時11分
-
公務員が無断で会社の経理業務 約2860万円を横領 村役場の元課長を逮捕 北海道西興部村
STVニュース北海道 / 2024年5月22日 19時52分
-
北海道は3月中旬並みの寒さ 静岡や甲府で夏日に
ウェザーニュース / 2024年5月8日 16時35分
ランキング
-
1【速報】今月開始の定額減税「評価しない」が60% 6月JNN世論調査
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月2日 22時57分
-
2「検証してもらわないと無駄死に」新型コロナワクチン接種後に夫が難病を発症し死亡 集団訴訟へ参加を目指す妻【大石が聞く】
CBCテレビ / 2024年6月2日 6時2分
-
3立民、4日採決は「論外」と批判 規正法改正案、自民は早期主張
共同通信 / 2024年6月2日 19時59分
-
4奥能登4市町「エコノミークラス症候群」検診で被災者の8・8%に血栓、一般を大幅に上回る
読売新聞 / 2024年6月2日 20時0分
-
5自民・茂木幹事長、ライドシェア全面解禁を提唱「時代遅れの制度壊さなければ」…政府は結論先送り
読売新聞 / 2024年6月2日 18時21分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください