トランス男性の友、助けることできたのでは LGBTQ支援に取り組む函館の団体代表
共同通信 / 2024年6月3日 8時3分
性的少数者(LGBTQなど)を支援する北海道函館市の市民団体「レインボーはこだてプロジェクト(RHP)」が活動を始めて5年が過ぎた。「二度と同じことを繰り返したくない」。代表の北見伸子さん(51)には、トランスジェンダーの友人を自死で亡くしたつらい経験がある。(共同通信=瀬尾遊)
北見さんは2008年、市民参加型ミュージカルで、役者をしていた音楽家宮本真人さんと出会った。「みやも」の愛称で呼ばれ、当時21歳。ギターが得意で、周りを楽しませてくれる明るい人柄だった。一緒に劇を作るうちに仲良くなった。
自認する性が男性だった宮本さんは、女性の体を持っていることへの嫌悪感などからうつ病や難聴を患い、13年11月、27歳で自ら命を絶った。亡くなる3日前にも公演があり「打ち上げの時は全く分からなかった。笑顔の裏で考えられないほどのストレスが積み重なっていたんだと思う」と北見さんは悔やむ。
宮本さんは自らの苦悩について講演や執筆をするなど、性的少数者の支援活動をしていた。北見さんは宮本さんの母親から活動を引き継がないか打診されたが、専門家ではないからと一度は断った。
しかしその後、ジェンダー問題に詳しい大学教授と知り合い、好きになる相手の性別に関する指向(Sexual Orientation)と自分の性別に関する認識(Gender Identity)を意味する「SOGI」の概念を知ったことで「性的少数者を巡る課題は自分事でもある」と考え直した。
18年にRHPの活動を開始した。19年には性的少数者のカップルを公的に認定するパートナーシップ制度の導入を市長に直談判し、22年に実現した。
北見さんが営む飲食店名物のロシア料理ピロシキをゲイの当事者と一緒に作って食べる交流イベント「ゲイピロ」は北海道内外で15回開催。「社会問題への意識が高い人だけでなく、単にピロシキを作りたい人にも当事者のことを知ってもらえるのが強み」と胸を張る。
宮本さんが亡くなってから10年がたった。「RHPがあれば、みやもは亡くならなかったかもしれない。函館を誰もが自分らしく生きられる街にしたい」。北見さんは天の友に誓った。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
LGBTQ+カミングアウトをためらわせる「社会の不寛容さ」とは
オールアバウト / 2024年9月15日 20時45分
-
LGBTQ+当事者の子ども時代の体験談を児童文庫で小説化。著者が「子どもたちにこそ伝えたい」と語る“性のあり方”とは?
集英社オンライン / 2024年9月6日 8時0分
-
「NO焼肉、NOライフ!」焼肉のマチ北見に現れた「ヤキニキスト」とは?究極の焼き方を伝授!
HTB北海道ニュース / 2024年9月2日 20時32分
-
「鈴鹿山系の天然水」をレインボーデザインに 100円自販機のチェリオ 性的少数者への理解浸透に取り組む理由
まいどなニュース / 2024年9月1日 7時0分
-
トランス男性の友失った悲しみ繰り返さない 函館の支援団体、ピロシキに「多様性」願う
47NEWS / 2024年8月22日 10時0分
ランキング
-
1「自分の選択すべき道しっかり考える」斎藤兵庫知事、NHK番組に生出演、進退明言せず
産経ニュース / 2024年9月20日 20時32分
-
2「なんで出さないんだ!」閉店後にビール求め激高 高齢の男が何度も殴ってきて...焼き鳥店の店主が語った恐怖体験
J-CASTニュース / 2024年9月20日 18時58分
-
3孤立142人をヘリで搬送 静岡市葵区、林道のり面崩落
共同通信 / 2024年9月20日 21時58分
-
4知床・観光船沈没事故 船長を容疑者死亡のまま書類送検へ 「ハッチの不具合」認識も…関係者の証言は
HTB北海道ニュース / 2024年9月20日 19時35分
-
5大阪府立病院機構の医療センター職員、工事業者選定で便宜 250万円受け取る
産経ニュース / 2024年9月20日 22時53分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください