崩落進む地下壕、3Dで保存 沖縄戦で数百人避難の貴重な戦跡
共同通信 / 2024年6月20日 16時0分
太平洋戦争末期の沖縄戦で最後の激戦地となった沖縄県糸満市は、住民や日本兵ら数百人が当時避難した天然の大規模地下壕の内部を撮影して3Dデータ化し、ホームページでの年内の公開を目指している。貴重な戦跡として平和学習に活用されてきたが、近年は内部の崩落が進んで立ち入りが困難に。市は「悲惨な記憶を継承してきた物言わぬ語り部をデジタルに残せる、画期的な事業だ」と意気込む。
沖縄は23日、沖縄戦の犠牲者を追悼する「慰霊の日」を今年も迎える。
糸満市などによると、市内にある全長約100メートルの「轟の壕」。米軍の激しい攻撃を受けた1945年6月、避難する住民のほか、当時の島田叡知事や県庁幹部らも隠れたことから「沖縄県庁最後の地」とも呼ばれる。最終的に約600人の住民が米軍に保護されたが、日本兵が壕から住民を追い出したり、黒砂糖を奪われて抗議した子を射殺したりしたとする住民の証言が残されている。
私有地で管理が行き届かず落石が相次ぎ、市が県に整備を要望しているが、めどは立っていない。
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