男性DV被害の実態知って 徳島の支援団体調査「偏見なくしたい」
共同通信 / 2024年6月24日 7時2分
「腐った物を食べさせられた」「携帯電話に登録した友達を全て削除された」―。ドメスティックバイオレンス(DV)の被害者支援に取り組む一般社団法人「白鳥の森」(徳島市)に寄せられた被害例だ。このほど男性を対象に実施した調査結果を公表した。野口登志子(のぐち・としこ)代表理事は「男性もDV被害を受ける実態を知ってもらい、男性イコール加害者という偏見をなくしたい」と話す。(共同通信=別宮裕智)
団体によると、男性に限定した調査は全国的にも珍しいという。
昨年10~12月、団体が支援した20~50代の男性20人を対象に徳島県の事業の一環として実施した。
警察庁によると、2023年に全国の警察に寄せられたDV被害相談のうち、男性からは2万6175件と過去最多で全体の29.5%を占めた。
今回の調査では対象の20人全員が「命の危険を感じていた」と回答した。女性との体格差がある分、包丁などで脅されるケースが多いという。
取材に答えた県内の男性は、妻に殴られたり蹴られたりする身体的暴力のほか、多額の浪費などの経済的暴力にも苦しんだ。「男なんだから稼げ」と追い詰められ、借金返済のため昼夜問わず働き続けて体調を崩し入院を余儀なくされた。
4月から団体の支援を受けている発達障害がある県内の40代男性は、包丁を持った妻に追いかけ回されるなどの被害を受けたが「発達障害である自分が悪い」と思い、被害者の自覚がなかった。
調査では「怒らせる自分が悪いのでは」といった意識から18人が「暴力で対抗しようと思わなかった」と回答した。
また自治体などの相談窓口の名称に「女性」や「子ども」と冠していることで男性が相談しづらい傾向があることも判明した。
野口代表理事は「DV被害者支援に男女差別があってはならない」と警鐘を鳴らす。調査結果は白鳥の森のホームページで公表されている。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
夫婦“3組に1組”が別れる時代「もしDV被害が認定されなければ…」「一方的にDV加害者とされたら…」離婚後に父親と母親双方が持つ“共同親権”制度 不安を隠せぬ当事者の思い
北海道放送 / 2024年6月24日 20時14分
-
ウクライナ侵攻後、難民危機と闘う女性たちの「リアル」
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月13日 15時50分
-
DV被害者が相談して気付く"私が間違っているんじゃないんだ"...警察など『DV相談8万件超』過去最多 DV加害者を支援する加害経験者も「人は学び変わることができると信じて」
MBSニュース / 2024年6月12日 12時16分
-
「チー牛こそが女叩きをしている」という偏見…「男性=強者」という思い込みに隠された“弱者男性”という存在<br />
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月7日 17時15分
-
ゆずりは、民間団体向けに支援措置サポートガイドブックを公開
PR TIMES / 2024年6月1日 10時40分
ランキング
-
1「老後資金2000万円不足」の衝撃が、今「4000万円」に拡大 シニア層の不安に「最新データでは1200万円で大丈夫!」/第一生命経済研究所の永濱利廣さん
J-CASTニュース / 2024年6月27日 19時22分
-
2岸田首相、衆院選「慌てる必要ない」
時事通信 / 2024年6月27日 22時9分
-
3イタリアで日本人男性が暴行受け死亡、助け求められてけんか仲裁…地元ウディネ市長「人間性と勇気の模範」
読売新聞 / 2024年6月27日 8時0分
-
4ロシア系ハッカーが犯行声明 ニコニコ動画へのサイバー攻撃
共同通信 / 2024年6月27日 19時42分
-
5徳島のラーメン店敗訴確定=コロナ感染者飲食公表―最高裁
時事通信 / 2024年6月27日 22時17分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)