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若手演劇、札幌の新劇場から世界に発信 俳優を育成、地域の憩いの空間にも

共同通信 / 2024年6月24日 8時4分

取材に応じる芸術監督の納谷真大さん=札幌市(2024年5月)

 札幌駅や北海道大に近い札幌市北区に5月11日、演劇の新しい拠点「ジョブキタ北八劇場」がオープンした。「劇場のある街へ」との思いを原点に、若手の活躍や地域住民の交流を生み出す空間を目指す。芸術監督を務める納谷真大(なや・まさとも)さん(55)は「優秀な才能が日本の中心や世界に向けて発信できるような場にしたい」と意気込む。(共同通信=渡部紗生)

 再開発事業に伴い、地域の文化的シンボルになるようにとの願いを込めて高層ビル内にできた民間劇場。客席は226席で小劇場ながら2階席まであり、天井の高さや明るい雰囲気も特徴的だ。

 オープン初日はコメディー「あっちこっち佐藤さん」で幕を開けた。俳優や演出家として活動する納谷さんが2007年に演出し、札幌で初演した作品。「自分の代表作の一つ。劇場に笑いを染み込ませたい」と話す。

 優秀な若い作り手が東京に行ってしまうことが札幌の演劇文化の課題だと考える納谷さんは、公演と並行して、若手を育てるための企画や制度改善を手がける。中高生のためのワークショップを行うなどして「北海道でプロになれる可能性があるということを根付かせたい」と語る。

 一つの例が、俳優が職業として「劇場で食べていける」環境づくりだ。ネーミングライツ(命名権)の契約やパートナー企業から出資を募ることなどで、出演期間中だけでなく稽古期間にも給料を支払い、1カ月間の公演中に休演日を設けた。

 地域に暮らす人々が集う場となることもテーマの一つ。6月には札幌に住む外国人労働者と地域住民が演劇を通して交流する「多文化えんげきワークショップ」を企画している。

 民間ならではの自由度を生かし、劇場を小学生の遊び場や高齢者のカラオケの場にもなるような、地域の憩いの場にしたいと話す納谷さん。「年末には紅白のど自慢合戦をやりたい」と目を輝かせる。目標は芸術監督を務める5年間で「若い世代にとって、この劇場が肝となるような形」をつくることだ。

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