サンショウウオがすむ大学、新種も確認 仙台都市部近郊、「環境考えるきっかけに」
共同通信 / 2024年7月14日 9時2分
JR仙台駅から北へ約6キロ、仙台市青葉区の都市部近郊にある宮城学院女子大構内の森にはサンショウウオが生息する。2020年に見つかった個体がこのほど新種と判明した。発見した藤原愛弓さん(農学博士)は「身近な自然にも貴重な生き物がいる。今回の発見が環境を考えるきっかけになってほしい」と話す。(共同通信=住友亮介)
藤原さんによると、同大助教だった2020年2月、構内の生態系を調査中に、森の中の水辺でサンショウウオ3匹と卵を見つけた。当初は東北地方から新潟、関東北部にかけて分布し、絶滅が危惧されている日本固有種の「トウホクサンショウウオ」だと考えた。都市部で繁殖は珍しく、論文にまとめて公表した。
するとこの論文を読んだ高知大の研究者から「もしかしたら新種かもしれない」と連絡があり、共に歯並びやDNAなどを調べた結果、トウホクサンショウウオとは独立した新種だと分かった。主な生息地の仙台市と山形市にちなんで「センザンサンショウウオ」と名付け、2023年に海外の学術誌で発表した。
宮城学院女子大キャンパスの一部や隣接する公園一帯は、森林や沼地が残っており、宮城県指定の緑地環境保全地域。道路や住宅に囲まれながら、生き物の貴重な生息地になっており、公園では以前からサンショウウオの保全活動が行われていた。今回の発見は種の詳細な分類や、生態解明につながったという。
藤原さんは元々ミツバチの研究者で、現在は「日本在来種みつばちの会」(岩手県)の理事として養蜂産業の振興に携わる。「昔から生き物が好きだったが、まさかサンショウウオの新種発見に関わるとは」と驚く。
調査をサポートした同大の田中一裕教授(農学)は「誰よりも現場の自然を歩いた藤原さんだから発見できた」とたたえた。同大では今回の発見を生かし、生息域保全を進める方針だ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
標高の高い川、源流近くにしかいない15センチの小さな体 「ヒダサンショウウオ」見つけた
京都新聞 / 2024年7月5日 7時0分
-
「第59回 東京都公園協会賞」受賞作が決定しました!
@Press / 2024年7月4日 14時0分
-
AOSデータ社、データコマースDataMart.jpに生物多様性オープンデータを公開 ~Data to AI(R)仕事術で生物多様性分野の生産性向上~
PR TIMES / 2024年7月3日 11時15分
-
東大理系“ガチ勢”が「生物100種類見つけるまで帰れません」に挑戦! 少年のように楽しむ姿とあふれる知識に「Eテレでやるべき」
ねとらぼ / 2024年6月25日 8時0分
-
釧路湿原の大量メガソーラーに土地買取で対抗 原野商法で取得した土地「手放したい」人々も
東洋経済オンライン / 2024年6月24日 12時30分
ランキング
-
1岡山の津山城跡で石垣が崩落、大雨警報中に長さ20〜30メートルにわたり土砂ごと流出
読売新聞 / 2024年7月15日 21時19分
-
2群馬・沼田の「吹割の滝」で22人が一時取り残される、遊歩道まで増水…別名「東洋のナイアガラ」
読売新聞 / 2024年7月15日 20時8分
-
3《スクープレポート》封印された大阪市職員「部落差別発言」 内部報告書を入手、問題の核心に迫る
NEWSポストセブン / 2024年7月16日 7時15分
-
4愛媛 松山城・城山の土砂崩れから3日「自宅に入れていない」避難生活・土砂の撤去続く
南海放送NEWS / 2024年7月15日 20時41分
-
5小屋衝突の車は米軍関係者か 青森3人死傷
日テレNEWS NNN / 2024年7月15日 13時58分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)