フランス高速列車網に破壊行為 五輪妨害狙いか、設備放火

26日、高速列車網への破壊行為を受けて、パリ北駅をパトロールする警察官ら（ロイター＝共同）

　【パリ共同】フランス国鉄は26日、高速列車TGVの路線網に25日夜から26日にかけて大規模な破壊行為があったと明らかにした。線路沿いの設備が標的とされ「（運行を）まひさせることが目的」としている。運行の大きな乱れで約80万人に影響が出る見通し。フランスメディアが伝えた。26日開幕のパリ五輪への妨害を狙った可能性がある。人的被害は伝えられていない。

　日本オリンピック委員会（JOC）はパリ五輪に出場する日本選手団に対して注意喚起した。

　パリと北部、東部、西部を結ぶ3路線で放火などの被害が起きた。関係者は「明らかに組織的な妨害行為の結果だ」と指摘した。修復作業は少なくとも週末まで続くとされ、復旧にはかなりの時間がかかりそうだ。

　ウデアカステラ・スポーツ相は地元テレビで「ぞっとする。五輪を標的にすることはフランスを標的にすることと同じだ」と非難した。

　26日は開幕式を控え、多くの人がパリに向け移動する予定だった。フランス当局は五輪開幕を前に警備を強化していた。