小林製薬、紅こうじ撤退 健康被害補償、19日に開始

記者会見の冒頭に紅こうじサプリを巡る問題で謝罪する小林製薬の小林章浩前社長（中央右）、山根聡社長（同左）ら。紅こうじ事業から撤退することを発表した＝8日午後、大阪市

　小林製薬は8日、記者会見し、紅こうじを使ったサプリメントの摂取者が健康被害を訴えた問題を受け、紅こうじ事業から撤退すると発表した。関連製品の製造・販売事業を取りやめる。健康被害の補償を19日から始める方針も明らかにした。関連損失は79億円となった。

　会見は問題発覚直後の3月29日以来、4カ月ぶりとなった。山根聡新社長はサプリメントの健康被害について、医薬品、食品を扱う企業として「あってはならない事態を起こしてしまって痛恨の極みだ」と改めて謝罪した。

　紅こうじ事業からの撤退は8日に開催した取締役会で決議した。完了日は未定としている。最初の健康被害把握から公表が遅れたことについて山根氏は「経営陣が原因究明に傾注し、誰にどのような結果をもたらすのか想像力を働かせるのが弱かったのが原因」と陳謝した。

　補償は「紅麹コレステヘルプ」を含む3製品の使用者が対象。医療費や慰謝料、休業などを補償する。補償担当の取締役に就いた創業家出身の小林章浩前社長は「補償対応を、責任を持ってやりきることが使命」と述べた。