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ウトロ苦難の歴史、英語で世界へ 留学生、住民触れ合い通じて発信

共同通信 / 2024年8月12日 8時4分

ウトロ地区の住民と贈り物を交換し合うカルロス・マルケスさん(左)=京都府宇治市のウトロ平和祈念館

 京都府宇治市の「ウトロ平和祈念館」で、立命館大の留学生らがウトロ地区の歴史を英語で世界に伝えるインターンシップ活動に励んでいる。同館職員は「さまざまな国の人たちとの触れ合いができる」と歓迎。戦時中、飛行場建設のために集められた朝鮮人労働者やその子孫らが、戦後に差別を受けながらも懸命に生き抜いたウトロ。その苦難の歴史を紡ぐ営みが海外へ広がりつつある。

 6月23日、住民や留学生、日本人学生が韓国料理などを楽しみながら交流する「ウトロ喫茶」が同館で開かれた。家族で移住してきた韓金鳳さん(85)は「苦しい人生だった。今は祈念館にいろんな人が来てくれてうれしい」と顔をほころばせた。

 同館は2022年4月、ウトロの歴史を伝えようと開館。インターンにはベトナムや韓国、米国などの留学生約10人が参加する。館内ガイドや展示物の英訳、住民への取材など幅広く活動。在日コリアンの歴史を学ぶため大阪・鶴橋を訪れたこともある。それらの内容を交流サイト(SNS)に英語で発信している。

 リーダーのカルロス・マルケスさん(21)は高校生の時、家族でメキシコシティから米国に移住。「(当時のビザでは)住んでいるのにバイトができなかった。グレーゾーンにいるようだった」。ラテンアメリカ人への偏見や格差を変えようとボランティア活動に力を入れた。住民がコミュニティーを作り上げたウトロの歴史を学び、自身の境遇に重なると感じた。

 ソウル出身の韓施温さん(24)は韓国のテレビ番組でウトロを知り、インターンに参加。住民の温かさに感銘を受けた。「一人一人が日韓関係の架け橋になると思う。英語で国際社会に訴えることも有力だ」と話す。

 金秀煥副館長(48)は「日本の人たちとの付き合いに苦労してきた住民が、今ではさまざまな国の人と交流している」と感慨深げに語る。「生きづらさを抱える世界の人たちに、(英語発信を通じ)日本で頑張っている人がいると伝えることができる」

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