東電、デブリ採取の作業を開始 ミスで中断、福島第1原発2号機
共同通信 / 2024年9月10日 9時42分
東京電力は10日、福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の試験的採取作業を始めた。格納容器内からの少量の取り出しを目指す。8月22日に準備作業を開始したがパイプの並び順を誤るミスが判明し、中断していた。採取作業は2011年3月の事故後、初めてとなる。デブリは極めて強い放射線を出し、取り出しは廃炉の最難関とされる。
計画では、原子炉格納容器の貫通部から最長22メートルに伸びるパイプ式装置を差し込み、先端に取り付けた爪形の器具で3グラム以下のデブリをつかんで回収する。装置がデブリに到達するまでに1週間程度、回収完了までは2週間程度を見込む。
東電は10日早朝、中断していた準備作業を再開。約1.5メートルのパイプを接続して装置を押し込み、貫通部手前で放射性物質を遮断する「隔離弁」を通過させ、採取に着手した。
第1原発では1~3号機で推計880トンのデブリが残る。被ばくを抑えるため作業は遠隔操作が基本となる。工法変更などでこれまで3回延期され、当初計画から約3年遅れている。
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