「写真の鬼」土門拳に新たな息吹 出身地山形・酒田の記念館、ファン開拓へ
共同通信 / 2024年9月15日 9時2分
昭和を代表する写真家で「写真の鬼」と呼ばれた土門拳(1909~90年)の記念館が、出身地の山形県酒田市にある。全作品を所蔵する聖地だが、ファンの高齢化が主な要因で来場者が減少。同館は新たなファン開拓のため「若い世代にアピールしたい」と、固定化した土門のイメージの刷新に乗り出した。(共同通信=中村茉莉)
土門は戦前、報道写真家として歩み始め、脳出血で倒れた1960年(51歳)ごろから寺社や仏像の撮影に注力した。リアリズムに徹した作品で国内外に知られ、詩人の高村光太郎からは「土門拳のレンズは人や物の底まであばく」と評された。写真集「ヒロシマ」「筑豊のこどもたち」「古寺巡礼」などが有名だ。
酒田市の名誉市民第1号になった1974年、同市に全作品を寄贈すると表明。記念館は日本初の写真専門美術館として1983年に開館し、ピークの1990年度には約8万2千人が訪れた。だが以降はほぼ右肩下がりで、2023年度は約2万2千人だった。
そこで取りかかったのが「土門の新たな面に光を当てる」試みだ。これまで代表作中心に展示してきた中、2024年4~7月に、演出的手法で有名な写真家・植田正治との2人展を開催。対照的に語られる2人に共通点も少なくないことを紹介した。
2人展では、土門の作品約30点を初展示。13万5千点に及ぶ所蔵作はほとんどが写真集や雑誌に掲載されたことがないため、今後も展示の幅を広げていく。
2023年6月には5代目館長に、同市出身の写真家・佐藤時啓さん(66)が就いた。今までは土門の弟子や親族などが務めてきたが、土門と会ったことがない初めての館長になった。業績顕彰のコンセプトは維持しつつ刷新も目指すため、2024年4月から館の呼称を「土門拳写真美術館」に変える。「新たな解釈を発掘し、常に生きた展示をしたい」と強調した。
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