中国空母が接続水域を初めて航行 沖縄の与那国、西表島間

日本の接続水域を航行した中国海軍の空母「遼寧」（防衛省統合幕僚監部提供）

　防衛省統合幕僚監部は18日、中国海軍の空母「遼寧」とミサイル駆逐艦2隻が同日未明、沖縄県の与那国島と西表島の間の接続水域を航行したと発表した。領海侵入はなかった。中国の空母が日本の接続水域を航行するのを確認したのは初めて。政府は中国に対し深刻な懸念を表明した。防衛省は中国の意図を分析している。

　防衛省によると、17日午後7時ごろ、遼寧など3隻が沖縄・尖閣諸島魚釣島の北西約210キロの海域を航行しているのを発見。3隻は南進し、18日未明に接続水域を通って太平洋へ向かった。戦闘機やヘリコプターの離着陸などは確認されていない。

　中国軍は日本周辺での活動を活発化させており、8月26日にY9情報収集機1機が長崎県五島市の男女群島沖で領空侵犯したほか、31日には測量艦1隻が鹿児島県沖の領海に侵入した。

　今回の接続水域を中国海軍の艦艇が通過するのは今年4回目。政府は「安全保障環境の観点から全く受け入れられない」との考えを在日中国大使館に申し入れた。