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1万2千年前の遺跡、人類定住の道筋示す? トルコ南部、定住・農耕生活への移行期か

共同通信 / 2024年9月22日 7時3分

カラハンテペ遺跡で発掘された男性像を観察するカルル教授=2024年6月(共同)

 約1万2千年前のものとみられるトルコ南東部のカラハンテペ遺跡が、人類の定住の道筋を示すのではないかとして注目を集めている。これまでに精巧な男性像や、人々の一定期間の滞在を示す石柱などが発見された。狩猟と移動の生活だった当時としては高度な技術が用いられ、トルコの研究者は、人類が定住・農耕生活に至るまでの「移行期に当たる可能性がある」と指摘している。(共同通信=安井浩美)

 カラハンテペ遺跡は南東部シャンルウルファ郊外にある。イスタンブール大のネジュミ・カルル教授によると、2019年に発掘が始まった。平原地帯の丘を掘り下げた遺構から、高さ5メートルの石柱や集会場とみられる跡など人の滞在を示す遺構が発見された。一方、食物の貯蔵庫といった定住を強く示す遺構や遺物は今のところ出てきていないという。

 放射性炭素年代測定の結果、紀元前9600年ごろの遺跡だと推定されている。

 男性像は2023年9月に発掘された。石灰岩の彫像で高さ約2.4メートル。毛髪やつり上がった目、ひげが彫られ、耳にはピアスのようなものを入れる穴があった。鎖骨や肋骨、性器があり、体の衰えや生命を感じさせる像で、カルル教授は「死と生を表している」とみる。

 同時期に造られた「最古の神殿跡」といわれる世界遺産、ギョベクリテペ遺跡が30キロほど離れた場所にあり、そこでは顔料による彩色が残ったイノシシの石像が見つかっている。

 カルル教授は、カラハンテペの男性像も同様に彩色されていた可能性があると指摘した。像のモデルの有無や目的は不明だが「人類が定住せず狩猟生活をしていた時代に石像を彩色していたならば、常識を覆す発見となる」との見方を示した。

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