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最低賃金の引き上げアピール合戦 時給1500円に経営側困惑

共同通信 / 2024年10月16日 19時24分

最低賃金引き上げへの見方

 衆院選で主要政党が最低賃金の引き上げをアピールしている。全国平均の時給を1500円にすると主張するものの、企業側は経営の打撃になりかねないと困惑する。物価高を背景に働く人の処遇改善は急務だが、専門家は「経営側の理解や納得感が必要だ」と強調する。

 「会社が倒れてしまうレベルだ」。愛知県でポスティング会社を経営する男性(41)は最賃1500円についてこう話す。時給1100円程度でアルバイトを雇っているが「急に上げるのは到底無理」。サービスを値上げすれば顧客離れの恐れがあり「零細企業は倒産する」と言う。

 2024年度の最低賃金は全国平均で時給1055円。物価高や人手不足を反映し1004円だった前年度から大幅に増えたが、石破茂首相は所信表明演説で20年代に1500円とする目標を示し、30年代半ばまでとした岸田前政権の目標を前倒しした。立憲民主党や公明党、共産党も公約に1500円を明記した。

 20年代に1500円まで引き上げる場合、ここ数年3~5%程度で推移してきた伸び率をさらに加速させる必要がある。

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