ジェンダー債で女性支援 JICA、開発途上国で

ジェンダー債の活用イメージ

　国際協力機構（JICA）は女性のエンパワーメント（地位向上）やジェンダー平等推進の事業に調達資金を充てる「ジェンダーボンド（債券）」を11月にも発行する。紛争や気候変動による干ばつ被害が増える中、苦境に置かれやすい開発途上国の女性を支援する。

　JICAは、女性は男性と比べ非正規雇用が多いなど、新型コロナウイルス禍で男女の不平等が意識された2021年度に国内で初めてジェンダーをテーマとした債券を発行した。今回は2回目となる。

　今回は環境や社会問題の解決に役立てる「サステナビリティボンド」として発行。SMBC日興証券などの市場調査を踏まえ、償還までの期間が5年と10年の2種類を計300億円程度売り出す。地域金融機関や自治体などの購入を想定する。

　JICAによると、前回発行時の調達資金はバングラデシュの農村部で水資源の管理施設の整備に充て、農業に携わる女性の収入増につながった。メキシコでは低所得層向けに小口貸し付けを行うマイクロファイナンス事業者に資金を提供し、女性事業主の所得が向上したという。