神宮外苑、樹木の伐採始まる 本数削減も市民ら抗議

東京・明治神宮外苑。手前左はイチョウ並木＝7月

　東京・明治神宮外苑の再開発事業を巡り、事業者側は28日、神宮第二球場の解体工事に伴う樹木の伐採を始めた。21日の東京都環境影響評価審議会で、事業者代表の三井不動産などが高木の伐採本数を削減する計画の見直しを報告し、異論が出なかった。周辺では市民ら数十人が抗議の声を上げた。

　樹木の伐採は昨秋に開始予定だったが、ユネスコ諮問機関や音楽家の故坂本龍一さんら著名人が相次いで反対を表明した。昨年9月、事業者は都から伐採前に樹木の保全策を示すよう要請され、今年9月に計画の見直し案を都に報告。約1年遅れの着手となった。

　見直し後の計画では、3m以上の高木の伐採本数を743本から619本に124本減らす。シンボルのイチョウ並木保全のため、新野球場との距離を約8mから約18mに広げる。全体の工事完了を2036年と見込んでいたが、見直しによる影響を精査している。

　都環境影響評価審議会では、事業者側が見直した計画を報告。都の担当者は「今回の変更が環境に著しい影響を及ぼす恐れがあると認められない」と説明した。