秋本元議員、贈賄側に未公開情報 洋上風力汚職事件で検察側指摘

東京地裁に入る秋本真利被告（手前中央）＝25日午前（代表撮影）

　洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、受託収賄の罪に問われた元衆院議員秋本真利被告（49）と贈賄罪に問われた日本風力開発（東京）元社長の塚脇正幸被告（65）の初公判は25日午後、東京地裁で続いた。検察側は、秋本被告が秋田県沖の発電事業に関する未公開情報を事前に同社側に伝えていたと指摘した。

　検察側の冒頭陳述によると、国の洋上風力発電に関わる新規事業の海域について、秋本被告が「秋田県沖が有力になりそうだ」と事前に伝達。だが同社は落札できず、強い不満を示した。これを受け秋本被告は2022年2月の衆院予算委員会分科会で、事業者公募の評価基準見直しを求める質問をした。

　検察側は、衆院選の際には同社の社員が手伝うなどしていたとし、親密さを指摘。2人が設立した競走馬の組合では、秋本被告の意に沿った馬の購入や交配が行われ、塚脇被告は提供した資金の使途の詳細は把握していなかったと述べた。