妻殺害「偽装工作重ねた」、長野 元県議側は無罪主張

　長野県塩尻市の酒蔵兼自宅で2021年9月、妻＝当時（47）＝を殺害したとして、殺人の罪に問われた元長野県議、丸山大輔被告（50）に対する26日の長野地裁（坂田正史裁判長）での裁判員裁判で、検察側は「さまざまな偽装工作を重ね、周到に準備された極めて計画的な犯行」とし懲役20年を求刑した。弁護側は「直接的な証拠はない」と無罪を主張した。

　検察側は論告で、不倫関係にあった女性との交際のためなどに妻を殺害したのは「理不尽かつ身勝手」と述べ、「信じ支え続けてきた被告に殺害された際、どれだけ悔しく無念だったか。（被告は）保険金なども受け取り、反省もない」と非難した。

　弁護側は最終弁論で、偽装工作の事実はなく「殺害する強固な動機は全く見当たらない」と反論した。丸山被告は最終意見陳述で「私が殺すはずがない」と改めて無罪を主張し、結審した。判決は12月23日。

　起訴状によると丸山被告は、21年9月29日午前1時44分～同3時4分ごろ、自宅で妻希美さんの首を何らかの方法で圧迫し、窒息死させたとしている。