中国の自動運転車、まるで熟練ドライバー IT大手百度が開発、試乗の記者驚き
共同通信 / 2024年11月27日 17時3分
中国で自動運転の技術開発が急速に進んでいる。中国IT大手百度(バイドゥ)の北京の施設を2024年6月に記者が訪れ、公道を走る自動運転車に試乗した。適切な状況判断と細やかな車体のコントロールは、まるで熟練のドライバーが運転をしているかのようで、その技術の高さにはただただ驚かされるばかりだった。(共同通信=磯田伊織)
施設の通路に止まっていた車の後部座席に乗り込むと、運転席には誰もいない。目の前に設置された液晶パネルに表示された「レッツゴー」という文字に指で触れると、車が動き始めた。
運転席のハンドルは人が動かしているかのように滑らかに動く。車が曲がる際には自動でウインカーが作動。敷地での走行中に運転席に透明人間が座っているかのようだと感心していたのもつかの間、車が公道に繰り出した際には一気に不安を覚えた。
だが、そんな不安はすぐに解消されることに。車はただ単に走るのではなく、隣の車線を走る車が寄ってきたら、車線の中で距離を取るようにハンドルを軽く反対に切って対処した。直線では加速し、車線変更で前に車が入ってくるとブレーキをかけてうまく減速した。
センサーで読み取った周辺の状況はモニター上に表示される。乗用車やバイクに歩行者まで正確に検知した。後部座席ではこうしたモニターの他、好きな音楽を楽しむこともできる。
対向車線で止まった大型のバスをよけようと、その後ろの車がこちらの車線にはみ出してきた際もしっかり回避し、何事もなかったかのように走り続けた。約15分の試乗はあっという間だった。
担当者によると、中国では現在、自動運転車がタクシーのように北京や深センなど10以上の都市で乗客を乗せて運行している。無人運転車側に責任のある事故は起きていないという。
中国の自動運転について「リスクを覚悟で普及させようという国家政策が異次元で、それに呼応して新規参入しようとする企業のチャレンジ精神が抜きんでている」と話すのは、明治大法科大学院の中山幸二教授(司法制度論)。新技術を徹底的に実験して安全性を確認してからでないと実用化できない日本とは異なると説明する。
日中の産業に詳しい中国社会科学院日本研究所の幹部は、失業を懸念するタクシー運転手の反発や事故が起きた際の責任の所在など、解決しなければいけない課題はあると認めつつ「未来の市場は大きく、新たな工業革命のチャンスだ」と期待を示した。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
自動駐車機能の異常で1日内に70台超が暴走、メーカーは「バグ」と説明―中国メディア
Record China / 2024年11月24日 10時40分
-
韓国・ギアをバックに入れたまま車放置…やっぱり起きた事故、それでもドライバーは知らんふり?
KOREA WAVE / 2024年11月7日 6時0分
-
急増するJPNタクシー、現役ドライバーが明かす不満点「車内空間は広いけど」
日刊SPA! / 2024年11月1日 8時51分
-
「正しい”右左折”」できてる!? 「あおりハンドル」やってる人多すぎ! 危険な“ローカルルール”にも惑わされない「正しい運転」とは
くるまのニュース / 2024年10月30日 9時10分
-
「降りろバカヤロー」停車中に中国人男性2人に囲まれてパニック急発進。殺人未遂に問われた被告人の真相
日刊SPA! / 2024年10月29日 8時53分
ランキング
-
1エンジン不正の日野自動車、工場敷地の5割売却へ…財務基盤の立て直し図る
読売新聞 / 2024年11月27日 15時31分
-
2ドンキの新作弁当 ご飯に盛り付けた“まさか”の具材とは? 開発担当者が「あえて“本物”よりおいしくしなかった」と語る背景
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月27日 16時14分
-
3なぜ鉄道会社が…? 小田急、エリア外の県と「全く畑違いのビジネス」に乗り出す きっかけは“社員の趣味”!?
乗りものニュース / 2024年11月27日 10時42分
-
4中国産「農薬漬けシャインマスカット」が東南アジアで大炎上…怪しい日本語が書かれた“激安ブドウ”の実態
プレジデントオンライン / 2024年11月26日 18時15分
-
5富裕層が日本株を「今、面白い」と注目している訳 個人投資家は中小型株投資ではプロよりも有利
東洋経済オンライン / 2024年11月27日 8時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください