遺伝子導入で心不全改善 慶応大、細胞を直接変化
共同通信 / 2024年12月14日 19時24分
高血圧などによって心不全を発症させたマウスの心機能を、導入した4種類の遺伝子を働かせることによって回復させることに成功したと、慶応大などのチームが14日、米科学誌に発表した。特定の遺伝子を細胞に入れて狙った細胞に直接変化させる「ダイレクトリプログラミング」という手法を使い、心不全の特徴である心臓の線維化を引き起こす「線維芽細胞」を心筋細胞に変えた。
チームによると、国内の心不全患者の半数は、生活習慣病や加齢などが原因で全身に血液を送るポンプ機能が弱くなるタイプ。このタイプは、心筋梗塞による心不全と異なり、薬などの有効な治療法が確立していないという。
チームは、線維芽細胞から心筋細胞を作るのに必要な4種類の遺伝子を組み込んだマウスを作製。高血圧や高脂肪食の摂取によって心不全にした上で、薬剤を投与して組み込んだ遺伝子を働かせると、線維芽細胞の約1%が心筋細胞に変わり、2カ月後にはポンプ機能や運動機能が回復。線維化した心臓の領域が約6割に減った。
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