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ライドシェア講習で安全に送り届ける アプリ提供会社と石川の自動車学校が連携

共同通信 / 2024年12月16日 16時4分

「自治体ライドシェア」のドライバー向け講習会で、自家用車の点検手順を確認する石川葵さん(手前)ら=2024年10月、石川県加賀市

 新幹線の延伸開業に沸く北陸有数の温泉地・石川県加賀市で2024年10月、自家用車による有償送迎「自治体ライドシェア」のドライバー向け講習会が開かれた。観光客や住民を安全に送り届けるため、アプリ提供会社と地元自動車学校が連携した。(共同通信=川口巧)

 「車を寄せる際にはバイクのすり抜けに注意して」。10月21日、ライドシェアのドライバーに登録している市民11人が加賀自動車学校(加賀市)に集まり、講師役のタクシー会社職員らの説明に耳を傾けた。

 乗降時のドアサービスやクレーム対応といった内容の座学を受けた後、教習所では「実技」も。ドライバーが実際に乗務する自家用車を使い、指導員が運行前の点検作業や運転操作を入念にチェックした。

 参加したドライバーの石川葵さん(36)は、夫が営むそば店で働いているが、週4日ほど、空いた時間に運行している。「安全運転を心がけようと改めて思えた」と話した。

 加賀市は24年3月、北陸新幹線の敦賀(福井県敦賀市)延伸で、市内の加賀温泉駅に新幹線が停車するようになったのに合わせ、ライドシェアの本格運行を開始。米大手ウーバーのアプリを導入し、9月末までに約550件の利用があった。市民ドライバーの登録も35人まで増えている。

 市によると、これまでに事故やトラブルは報告されていないが、安全運行を続けるため、ウーバーが自動車学校の協力を得て講習会を企画した。指導に当たった自動車学校の畑博昭さん(52)は「講習は、ドライバー本人に運転の留意点を気付いてもらうのが狙い。地域全体で安全運行に協力していくことが大切だ」と力を込めた。

 ウーバー・ジャパンによると、アプリを提供する会社と自動車学校との連携によるドライバーの安全講習は、国内では珍しいという。担当者は「講習を実施していることで、乗客に安心感を持ってもらえるのではないか。地域に求められる交通手段として根付かせたい」と話している。

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