海の「厄介者」アイゴ、名刺入れに変身 とげに毒ある未利用魚、漁業者の悩み解決
共同通信 / 2024年12月23日 7時3分
とげに毒があり臭いもきつく、捨てられがちな未利用魚「アイゴ」がおしゃれに変身しようとしている。愛媛県八幡浜市で魚介類の生産・販売を手がける「古屋野水産」が、皮を活用して名刺入れを製作。本年度中の発売を目指して準備を進める。「厄介者」として敬遠されがちなアイゴは身もおいしいといい「魅力を広く知ってほしい」と願う。(共同通信=英佳那)
温暖な海に生息するアイゴは、近年の海水温の上昇で定置網に意図せずかかってしまう「混獲」が増えた。とげが刺さって取れた魚の価値を下げてしまうほか、独特な臭みもあり、買い手がなかなかつかない。海藻を食べ尽くすため、藻場が消える「磯焼け」の一因ともされてきた。
漁業者から「何とかならないか」と相談を受けたのが古屋野水産代表古屋野太一さん(44)。きちんと処理されたアイゴは甘みがあり、刺し身がおいしいと知っていた。
買い取って会社のいけすに入れ、商品化を検討。臭いの原因となるストレスがかからないよういけす内の密度を下げる工夫をして、活魚としての出荷を実現した。「琥珀(こはく)あいご」のブランド名で八幡浜市内外に卸す。おいしく調理できるようにと独自の認証制度を設けて、飲食店への講習も実施する。
身以外も余すところなく使えないかと考えてたどり着いたのが、皮をなめして加工する「フィッシュレザー」だ。兵庫県姫路市の皮革加工業者と連携し、6月に名刺入れを試作。脱色や染色をせず、うろこごとなめしてアイゴらしい風合いや手触りを残した。
既に購入希望の声が寄せられている。「ラビットフィッシュ」の別名にちなんで、ブランド名は「兎角(とかく)」にした。古屋野さんは「食用以外の可能性が広がり、自信になった。資源をうまく循環させ、漁業者の収入増につなげたい」と意気込んでいる。
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