「輪島朝市」被災建物の9割撤去 24年度末までに一帯更地に

公費解体が進み更地が広がる石川県輪島市の「輪島朝市」周辺＝24日

　元日の能登半島地震に伴う大規模火災で約4万9千平方メートルが焼失した石川県輪島市にある「朝市通り」周辺地域の被災建物249棟のうち、9割超に当たる229棟で基礎部分まで取り除く撤去作業が完了したことが25日、市への取材で分かった。2024年度末までに一帯は更地になる見通し。跡地活用に向けた計画策定と復興への動きが加速する。

　輪島市によると、一帯の248棟について公費解体が申請されたほか、所有者が分からない1棟に関し、所有者不明建物管理制度に基づき、裁判所が選任した代理人が近く申請する見通し。

　朝市通り周辺地域の再建については、地権者らによる協議会が今後の活用を検討している。25年3月までに将来のまちづくりの基礎となる道路計画もまとめる方針で、その後、新たな商店街や居住地の再興案を話し合う。

　朝市エリアの復興に関しては「輪島市朝市組合」や地元商店街の若手メンバーらも共同で独自の復興計画を作成しており、既に市へ提出した。市は地権者を中心に各関係者の意見を踏まえ具体的な復興計画を検討する。