震災と向き合った寅さん上映へ 発生30年で神戸の映画館

上映に使うフィルム映写機の前で映画「男はつらいよ」のポスターを手にする小山岳志さん＝23日、神戸市兵庫区

　1995年1月17日の阪神大震災から30年となるのを前に、神戸市兵庫区の映画館「パルシネマしんこうえん」で、被災した神戸で一部撮影された「男はつらいよ　寅次郎紅の花」を来年1月2～11日、1日1回フィルム上映する。正月に寅さんシリーズの1作品を上映してきたが、震災30年に合わせ本作を選んだ。

　主人公車寅次郎を演じた俳優渥美清さんの遺作になったシリーズ48作目。95年12月に公開され、鹿児島県・奄美群島でのマドンナとの恋模様をメインに描いている。当初は神戸で撮影予定はなかったが、神戸市民からの強い要望で山田洋次監督が急きょ脚本を変更。震災の爪痕が強く残る同市長田区でも撮影された。