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伝統「土佐打刃物」の技、後世につなげ 高知の鍛冶職人育成塾、研修生奮闘

共同通信 / 2024年12月30日 7時2分

「鍛冶屋創生塾」で研修生を指導する講師の一人で鎌職人の畑山幸彦さん(右)=2024年11月21日、高知県香美市

 高知県の伝統工芸品「土佐打刃物(うちはもの)」の職人を育成する「鍛冶屋創生塾」(同県香美市)が開塾から3期目を迎えた。研修生らは400年以上続く技術を受け継ぎ、鍛冶職人への志を胸に日々研さんに励んでいる。(共同通信=伊藤佑太朗)

 土佐打刃物は、高知で盛んな農林業を支える道具を中心に作られてきた。現在も切れ味や耐久性が国内外から高く評価されている。

 特徴は「自由鍛造」と呼ばれる製造方法。炉で熱した金属材料を職人が機械やハンマーでたたいて刃物の形に打ち広げていく。決まった型がないため、客のニーズに応じた柔軟な製造が可能だ。一方で、狙いの形を作るには高い技術が必要とされる。

 これまで技術継承は徒弟制度や世襲によって行われてきた。しかし近年は職人の高齢化と後継者不足が深刻に。打開策として高知県土佐刃物連合協同組合が2019年に塾を立ち上げた。

 1期ごとの定員は3人で研修期間は2年。選考試験で受け入れが決まる。1年目は基礎的な技術や知識を習得し、2年目は1人300本以上の刃物制作や、技能検定の合格などが課せられる。

 開塾以来、6人の研修生が課程を終え卒業した。現在は県内外から応募した3人の3期生が汗を流す。愛知県豊橋市から移住し入塾した伊藤正晴(いとう・まさはる)さん(21)は「喜びもつらさも含めて日々成長を感じる。使った人に喜んでもらえる職人になりたい」と意気込む。

 実習や座学には、20人以上の鍛冶職人や有識者が講師として指導にあたる。修了後も、修業先の紹介やフォローアップ講座を開講するなど独立に向けた支援を行う。2期目からは卒業生も講師助手として参加する。講師の一人で鎌職人の畑山幸彦(はたやま・ゆきひこ)さん(53)は「(塾では)いろいろな考え方や技術を学べる。職人としての引き出しを増やしてほしい」と期待する。

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