国際秩序の維持へ向け連携を確認 日本・マレーシア首脳会談

首脳会談を前に、マレーシアのアンワル首相（右）と握手する石破首相＝10日、クアラルンプール近郊の首相府（共同）

　【クアラルンプール共同】石破茂首相は10日、訪問先のマレーシアでアンワル首相と会談した。両氏は東・南シナ海で覇権主義的行動を強める中国を念頭に、法の支配に基づく国際秩序の維持に向けた連携拡大を確認。石破首相は会談後の共同記者発表で、シーレーン（海上交通路）の要衝である同国と安全保障分野の協力を進めていく考えを表明した。「日本にとって、東南アジア諸国連合（ASEAN）との連携強化は最優先課題の一つだ」と述べ、関係深化に意欲を示した。

　マレーシアは今年のASEAN議長国を務めている。両首脳は会談で、東・南シナ海や中東、ミャンマー情勢を巡り緊密に意思疎通する方針で一致した。

　石破首相は会談冒頭、昨年10月の就任後、国際会議への出席を除き、個別に外国を訪れるのは初めてだと紹介した。前回訪問した34年前に比べ「国の発展ぶりに驚き感動している」と指摘。

　マレーシアに続いて訪問するインドネシアと併せ、首相には経済と外交で存在感を増す新興・途上国「グローバルサウス」への関与を深める狙いがある。