大正ロマンを伝える映画ミュージアム 建設時の外観を復元し、松本の町おこしへ
共同通信 / 2025年1月14日 16時4分
長野県松本市に、地元の歴史を伝える「上土(あげつち)シネマミュージアム」が開館し、外国人観光客らの注目を集めている。1917年に「松本電気館」としてオープンし、長く映画館として親しまれてきた建物を活用。ポスターやフィルム映写機でレトロを楽しむことができる。関係者は今後、大正期の外観を復元し、町おこしにつなげたいと意気込む。(共同通信=原崎瑠也)
2008年、地元住民に惜しまれながら閉館した映画館は、開館から100年の2017年に再生事業が始まり、広告やシステム開発などを手がけるラージヒル(東京)と地元の松本大学の力を借りて2024年7月、ミュージアムとして生まれ変わった。
館内は撮影自由で、映画スクリーンを間近で見たり券売場のカウンターに座ったりできる。約7千点のポスターを所蔵し、ジャッキー・チェン主演の「ドランクモンキー 酔拳」など一部を大学生の感想を添えて展示してある。デジタルアーカイブ化も進めている。
大正期の和装をモチーフにしたコスチュームのレンタルも人気だ。外国人でも2分で脱ぎ着できるよう工夫されており、着たまま松本城や周辺の町並みを散策できる。
昭和の松本の写真を使ったポストカードは、2次元バーコードを読み取って日本語と英語の解説が見ることができる。
電気館建設当時の外観を復元するため、協賛を募っている。小ホールと大ホールを修繕し、映画上映やより多くのポスター展示も思い描く。上土商店街振興組合の三村晃(みむら・あきら)さん(72)は、ミュージアムの復元をきっかけに「観光客を呼び込んで、上土をにぎやかな町にしたい」と語る。
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