英首相がウクライナ訪問 長期の安保協力強化へ署名

16日、ウクライナ首都キーウの駅に到着し、関係者の出迎えを受けるスターマー英首相（左）（ロイター＝共同）

　【キーウ共同】スターマー英首相は16日、ウクライナの首都キーウ（キエフ）を訪問した。英首相官邸によると、ゼレンスキー大統領と会談し長期にわたる安全保障協力の強化に向けた新たなパートナーシップ協定に署名。ロシアとの停戦後に欧州各国がウクライナで平和維持活動に当たる軍を派遣する案についても協議するとみられる。

　昨年7月の首相就任後、スターマー氏のウクライナ訪問は初めて。首相官邸によると、新協定「100年パートナーシップ」では、バルト海や黒海など海洋安保に関する軍事協力強化や農業、科学技術など九つの重要分野を柱とした連携を打ち出している。英国の揺るぎないリーダーシップを推進する方針という。

　早期停戦を唱えるトランプ次期米大統領の就任が20日に迫る中、ゼレンスキー氏は強力な安保体制を要求し、北大西洋条約機構（NATO）加盟の必要性を訴えている。欧州ではウクライナに各国軍が駐留する案が議論されており、スターマー氏は、ウクライナが「可能な限り強い立場に置かれることが重要」との考えを表明している。