福井城の象徴「坤櫓」復元へ、CF実施 県都の新たな顔に、高さ16メートル
共同通信 / 2025年1月19日 7時2分
福井市の福井城址で、明治初期まで城の象徴とされていた「坤櫓」の復元に向けた取り組みを福井県が進めている。古写真などを基に、本丸の南西角にあった高さ約16メートルのかつての姿をよみがえらせる。約300メートル離れた福井駅西口広場から見える位置で、観光客らを迎える県都の新たな顔としたい考えだ。費用の一部をクラウドファンディング(CF)で募る。(共同通信=高野和俊)
県によると、福井城は徳川家康の次男で、福井藩初代藩主の結城秀康によって1606年ごろに築城された。当時は天守があったが、1669年の大火で多くの櫓などとともに焼失。その後、坤櫓と本丸南東角の巽櫓は再建され、天守に代わる城の象徴となったが、1873年の明治政府の廃城令により取り壊された。
県は2023年度に遺構の調査や復元に向けた設計を始めた。柱の位置を割り出したほか、写真の解析や専門家らによる議論を経て高さなどを推定。歴史的価値や魅力を高めようと史実に沿い、木造で復元することにした。25年度以降の着工を目指す。
事業費は主に県費で賄うが、少しでも費用を抑え、復元への機運を高めようと県は12月からCFを開始。目標額は100万円で来年1月末まで受け付ける。寄付者には遺構の石垣のライトアップの色やパターンを1日だけ変更できる権利やオリジナルグッズをお礼の品として用意している。
CFは第2弾も予定し、ふるさと納税でも寄付を募っている。県新幹線・交通まちづくり局の姫川祐一局長は「福井城は駅に降り立って歴史を感じてもらえる貴重な文化資源。地元の誇りや観光集客につながればうれしい」と話している。
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