英首相「安保協力強化を」 EU接近、米政権に危機感

北大西洋条約機構（NATO）のルッテ事務総長との会談後、共同記者会見で発言するスターマー英首相＝3日、ベルギー・ブリュッセル（ゲッティ＝共同）

　【ブリュッセル共同】英国のスターマー首相は3日、同国が2020年に欧州連合（EU）を離脱して以来初めて英首相としてEU首脳会合に出席した。「分断はわれわれを弱体化させる」と訴え、安全保障分野での協力強化を呼びかけた。北大西洋条約機構（NATO）離脱をちらつかせるトランプ米政権の発足で危機感を強めるEUへの接近を図った。

　同首相は会合で、英国とEUが協力を深めるべき分野として防衛装備などの研究開発や損傷が相次ぐ海底通信ケーブルなど重要インフラの保護、防衛産業の連携強化などを列挙。欧州全域で軍の機動性を改善し、必要な場所に部隊と物資を迅速に移動できるようにする必要があるとした。