韓国軍元幹部、証言拒否 大統領の弾劾審判

4日、韓国憲法裁判所の弾劾審判に出廷する尹錫悦大統領＝ソウル（共同）

　【ソウル共同】韓国の憲法裁判所は4日、尹錫悦大統領の罷免の是非を判断する弾劾審判で、当時の軍幹部らの証人尋問を実施した。元軍幹部らは尹氏による「非常戒厳」宣言を受けて、国会などへの兵力投入に中心的な役割を担ったとされる。尹氏が国会封鎖や主要政治家の拘束を直接指示したかどうかが焦点だが、元軍幹部はほとんどの証言を拒んだ。

　今回は第5回弁論で、出廷した尹氏は自身の指示を否定した。

　捜査機関は、国会議員による戒厳令の解除要求決議を妨害しようとした尹氏が軍や警察幹部らに直接指示したほか、与野党代表らの拘束を命じたと結論付けている。弾劾審判では捜査資料が証拠採用されており、憲法裁が戒厳令の違憲性をどう判断するかに注目が集まっている。

　起訴状によると、尹氏は「銃を撃ってでもドアを壊して（国会議員を）引っ張り出せ」と李鎮雨・前首都防衛司令官＝内乱罪で起訴＝に直接指示したとされる。証人出廷した李被告は尹氏の指示に関する陳述を拒否し、戒厳令は適法だったとの考えを述べた。