第61回ERA(欧州腎臓学会)学術大会:画期的な研究結果によると、セマグルチドが2型糖尿病と慢性腎臓病を合併した患者において、重大な腎疾患イベント、心血管合併症、および死亡リスクを大幅に低減させることが明らかになりました
共同通信PRワイヤー / 2024年5月27日 9時34分
ストックホルム, 2024年5月24日 /PRNewswire/ -- 第61回ERA(欧州腎臓学会)学術大会で発表された最新の研究によると、セマグルチドを投与すると、2型糖尿病と慢性腎臓病を合併した患者において、深刻な腎疾患の発症、心血管合併症の発生、および死因を問わない全死亡リスクが大幅に低下することが明らかになりました。
「FLOW(週1回セマグルチド投与による腎機能評価)」試験は、2型糖尿病と慢性腎臓病を合併した3,533人の患者を対象に実施された、国際共同の無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。観察期間の中央値は3.4年でした。本試験の目的は、週1回の皮下注射による投与されるグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体作動薬セマグルチドの有効性と安全性を評価し、腎不全の発症、著しい腎機能低下、および腎疾患や心血管疾患が原因となる死亡といった主要な腎関連アウトカムの発症を抑制することでした。患者はセマグルチド1.0mgを週1回投与される群、またはプラセボ投与群のどちらかに無作為に割り付けられました。
セマグルチド投与群の被験者では、腎関連アウトカムや心血管・腎疾患による死亡といった複合主要評価項目のリスクが、プラセボ投与群と比べて24%低下していました。この効果は、腎関連アウトカムと心血管死亡の両方で一貫して認められました。
セマグルチド投与群では、副次評価項目においても顕著な改善が見られました。推算糸球体濾過量(eGFR)の年間低下率が1.16 ml/min/1.73m2/年遅延し、主要心血管イベントのリスクが18%減少し、全原因死亡リスクも20%低下していました。
Vlado Perkovic教授はこのように述べています。「2型糖尿病と慢性腎臓病を合併する患者にセマグルチドを使用すると、重要な腎アウトカムのリスクが低下し、心血管イベント、心血管死亡、全原因死亡のリスクも減少します。これらの効果は、2型糖尿病と慢性腎臓病の患者の腎臓、心臓、命を守る非常に大きな臨床的意義を持っています。さらに、安全性に関する良好な知見から、このような患者群におけるセマグルチドの有用性が一層支持されるのです」
慢性腎臓病は世界中で8億人以上が罹患する大きな健康問題です。特に2型糖尿病患者に多くみられ、腎不全や心血管イベント、死亡のリスクが高いのが特徴です。このため、慢性腎臓病の予防と治療に関する研究は極めて重要な課題となっています。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
血糖値異常が認知機能に影響…高血糖だけでなく低血糖も要注意 健康カフェ(274)
産経ニュース / 2024年6月20日 9時0分
-
フィットネスクラブでの過剰摂取に要注意…健康と美容のために摂取するとかえって"死を早める粉"の正体
プレジデントオンライン / 2024年6月8日 8時15分
-
「OLL2712株」を含む発酵乳に、 糖尿病予備群成人の血糖コントロールを改善しHbA1cを下げる効果を確認
共同通信PRワイヤー / 2024年6月7日 14時0分
-
世界に先駆けて日本で発売された ミトコンドリアに作用する糖尿病新薬の評判
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月6日 9時26分
-
【女医のお部屋】ファンコニー症候群だけじゃない!気になる「腎臓の病気」のすべて
東スポWEB / 2024年6月2日 10時9分
ランキング
-
1鉄道ファン“安堵”青春18きっぷ 今夏も発売、JR東日本「現時点で廃止する予定はありません」【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月20日 20時36分
-
2円安によって多くの日本人は再び豊かになる 今の円安に対して過剰に反応してはいけない
東洋経済オンライン / 2024年6月21日 9時30分
-
3円の国際価値が過去最低、BIS ドルなどと大差、通貨地位揺らぐ
共同通信 / 2024年6月20日 18時16分
-
4ついにLINEペイも撤退、瓦解するLINEの金融事業 LINEが描いてきた「経済圏」は画餅に終わるか
東洋経済オンライン / 2024年6月21日 8時20分
-
5「冷凍チャーハン」「カップ麺」に革命が…町中華の“あおり炒め”や“ゆでたての旨さ”を再現した日本の新技術【THE TIME,】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月20日 7時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください