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5G携帯電話基地局からの電波強度を明らかに

共同通信PRワイヤー / 2024年7月5日 14時0分


今回の成果

 NICTは、5G携帯電話基地局からの電波ばく露レベルのスポット測定を都内及び近郊で行いました。これまでに携帯電話事業者自身による測定例等はあるものの、公的研究機関が中立の立場で商用サービス中のFR1及びFR2の5G基地局周辺の電波強度を測定したのは世界で初めてです。FR1は東京都内及び近郊 51か所(51地点)、FR2は東京都心の3か所(15地点)で測定を行いました。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407043147-O1-2yOGQ3Sf

図1 28 GHz(FR2)測定風景


 FR1の測定には電界プローブを用いて、我が国の電波法施行規則で定められた測定手順に準拠した測定を行いました。FR2の測定には電界プローブの代わりに28 GHz測定用アンテナを用いました(図1参照)。さらに、測定場所付近の携帯電話端末(スマートフォン)にデータをダウンロードしながらの測定も行いました。FR1は6 GB、FR2は10 GBのデータを約1分間ダウンロードしました。測定で得られたデータを統計処理し、過去の測定結果と比較しました。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407043147-O2-Di9rWXkR

図2 電波ばく露レベル(中央値)の測定結果

(なし;スマートフォン電源オフ、 あり;スマートフォンにデータをダウンロード)


 データのダウンロード有無の比較では、データをダウンロードした時の方が、レベルはFR1で約70倍、FR2で約1,000倍大きくなることが分かりました(図2参照)。また、従来の携帯電話システム(4G)の基地局の過去の測定結果と比較すると、データをダウンロードした時でも、レベルは同程度又はそれ以下であることが分かりました(図2参照)。

 いずれの場合も、電波防護指針に対して低いレベル(中央値で約1万分の1以下)です(図2参照)。また、今回得られた電波ばく露レベルは、最近の海外での5G FR1基地局の測定結果と比べて12 %程度でした。


 これらの研究成果は、2024年4月に国際学術論文誌(Bioelectromagnetics)の電子版に掲載されるとともに、2024年5月に開催されたEMC Japan/APEMC Okinawaで発表されました。


今後の展望

 今回の成果は、我が国で5Gが導入されて初めての測定結果であり、今後更なる5Gの普及によって電波ばく露レベルがどのように変動するかを明らかにするための参照データとなるものです。そのため、長期的に(少なくとも2040年まで)測定を継続し、結果を学会発表等で公表していきます。また、海外における電波ばく露レベルの調査活動とも連携し、国際的に相互比較可能な電波ばく露レベル測定データの取得・蓄積・活用の実現に取り組みます。

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