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照明空間の明るさ評価に救世主

共同通信PRワイヤー / 2024年8月21日 14時0分

照明空間の明るさ評価に救世主

照度計校正に必須の光度標準電球の枯渇をLEDで解決


ポイント

・ 白熱電球の標準スペクトルを再現するLEDベースの標準光源を開発し、国家計量標準により、その妥当性を確認

・ LED素子の適切な安定化処理で点灯劣化の速度を既存の光度標準電球の20分の1に抑制

・ 照度計の校正で世界的に懸念される光度標準電球の枯渇問題を解決へ


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202408195062-O9-94AS53If


概 要 

国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)物理計測標準研究部門 神門 賢二 主任研究員、木下 健一 主任研究員、中澤 由莉 主任研究員、日亜化学工業株式会社(以下「日亜化学工業」という)は、国際照明委員会が定める白熱電球の標準スペクトルを発光ダイオード(LED)で再現し、既存の光度標準電球を代替する光源を開発しました。


照明空間の快適な明るさは照度計により評価されます。照度計(照度センサー)は、スマートフォンへの組み込みやディスプレイの調光に活用されるなど、身近な計測器です。2020年4月以降に販売された新型の自動車には、安全の観点から薄暮時間帯の無灯火を無くすために、オートライトが義務付けられました。周囲の照度が1000ルクス(lx)未満になると、ヘッドライトを自動的に点灯させる機能が搭載されています。自動車の安全管理の観点からも照度計を正しく使用するためには、国家計量標準にトレーサブルな校正を受けるなど、正確な照度の計測・管理が重要です。


照度計の校正は、照度計を販売する各メーカーおよび試験機関において、国家計量標準にトレーサブルに校正された白熱電球である「光度標準電球」を基準として行われています。しかし、白熱電球は世界的に生産されなくなってきており、光度標準電球の枯渇が問題になっています。


そこで、産総研と日亜化学工業は、光度標準光源が示す標準スペクトル(CIE標準イルミナントA)をLEDで再現した光源(イルミナントA標準LED)を開発しました。イルミナントA標準LEDは照度計の校正に必要なスペクトルや照度値などの仕様を満たすだけでなく、LED素子の安定化処理を適切に行うことで、点灯劣化を光度標準電球の20分の1程度に抑制できます。このため、現場での標準光源の校正周期の延長や測定精度の向上も期待できます。


なお、この技術の詳細は、2024年8月16日に「Measurement」に掲載されました。

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