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がん患者の悪液質の診断基準は有病率や全生存期間に影響する?

共同通信PRワイヤー / 2024年9月2日 14時0分

診断基準はがん悪液質の研究結果の解釈に重要


がん患者の悪液質の診断基準は有病率や全生存期間に影響する? 診断基準はがん悪液質の研究結果の解釈に重要


 


詳細は 早稲田大学Webサイト をご覧ください。


 


【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102172/202409025734/_prw_PT1fl_4arz281J.png


 早稲田大学スポーツ科学学術院の渡邉 大輝(わたなべ だいき)助教は、信州大学大学院総合医理工学研究科医学系専攻医学分野 博士課程3年で信州大学医学部附属病院の髙岡 友哉(たかおか ともや)管理栄養士と北海道文教大学の八重樫 昭徳(やえがし あきのり)講師と共同して、がん患者における悪液質の診断基準の違いとその有病率および全生存期間(生きている期間)との関連をシテマティックレビューとメタ解析の手法で包括的に検討し、悪液質の診断基準の違いが有病率や全生存期間に影響することを世界で初めて報告しました。


 本研究成果は、『Advances in Nutrition』(論文名:Prevalence of and survival with cachexia among patients with cancer: A systematic review and meta-analysis)にて、2024年8月30日(金)にVersion of Recordがオンラインで掲載されました。その後、2024年9月に雑誌に掲載される予定です。


 


■研究の波及効果や社会的影響


 がん患者は世界中で増えており、今後ますます悪液質と診断されるがん患者も増える可能性が高く、その治療戦略が重要になると考えられます。我々の調査結果により、がん患者において悪液質の有無だけでなく、悪液質の診断基準の違いも全生存期間に影響することがわかりました。このことはがん患者の悪液質の治療法の開発や結果の統合(治療ガイドラインの作成など)をする上で大きな障壁になると思われます。診断基準の違いによる影響を整理することで、大規模な集団から悪液質の可能性がある者を選別するための基準や死亡リスクが高い悪液質の者を特定して治療介入に繋げるための基準など、使い分けができるようになるでしょう。


 


■今後の課題


 本研究ではこれまでに報告されている世界中の研究成果を包括的にまとめ、悪液質の診断基準を考慮することが重要であることを示しました。しかし、同一集団で診断基準の違いによる有病率や全生存期間の影響を検討した研究は少ないため、同一集団を対象にした診断基準の違いの影響をさらに検討する必要があります。さらに、診断基準の違いが悪液質の治療効果に影響するかも不明であるため、悪液質の診断基準と治療介入への影響を評価する必要があります。近年アジア人を対象にした悪液質の診断基準が発表されました。今後は日本人の集団を含め、これまで使われてきた診断基準と、新たに開発されたアジア人向けの診断基準における有病率や全生存期間などへの影響を検討する必要があります。

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