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~必要な人に必要な物資を適切に届ける~ 令和6年能登半島地震 JDA-DATの災害支援活動の実際

共同通信PRワイヤー / 2024年9月25日 10時0分


――能登半島地震で実施した初めての支援活動とは

 発災直後、被災者の方は一般的には学校や、体育館、公会堂などの1次避難所に避難します。その後ホテルや仮設住宅といった2次避難所に移るというのが、これまでの動きでした。ただ今回は、金沢市内のいしかわ総合スポーツセンターに1.5次避難所というものが初めて設置されました。能登半島の北部は、ライフライン、交通手段の断絶などにより物資の搬送や人材の派遣といった支援活動に問題があったため、ライフラインに影響がなかった金沢市内の1.5次避難所に移動することになりました。そこでは当然食事が必要ですが、高齢者の方々、特に嚥下困難で柔らかい食事が必要な方も多く含まれていたので、そうした方に合った食事を調理し提供することが必要でした。これまでは食事を調理し提供することは行政の管轄のため、JDA-DATでは原則関わっておりませんでした。しかし、今回の災害においては行政の栄養士だけでは対応できない状況であったため、JDA-DATにより要配慮者に対して、具体的にはとろみやムース食等への対応を行うことになりました。


――災害時の食事の工夫について

 JDA-DATが行う栄養・食支援活動では、特に要配慮者といわれる乳児、高齢者、妊産婦、アレルギーや慢性疾患の方へ適切な食事を摂取できるよう支援していきます。乳児には母乳が原則ですが、状況によってミルクが必要ですし、高齢者の方は、硬いおにぎりが食べられないことがあります。また支援物資として多くあるおにぎりや菓子パンの食事が続くと栄養が偏りますので、4日目くらいからはタンパク質とミネラル、ビタミン等の補給を検討します。避難生活によりリスクが高まって間接死につながらないよう、各フェーズの段階に応じて対応することになります。発災直後であっても、要配慮者の方々には十分な栄養量の摂取を確保する必要があるので、JDA-DATの支援活動が迅速に行われることが必須です。


〜災害支援から見えた今後の課題について〜


――1.5次避難所という新しい避難所と特殊栄養食品ステーション

 能登半島地震で見えてきた課題は、主に2点あります。1つ目は1.5次避難所で食事提供サービスをするには、人材の確保、厨房設備が必要ということです。課題解決のためには、キッチンカーやトレーラーハウスの厨房設備を使用した食事提供も提案したいと考えています。

もう1つは特殊栄養食品ステーションの拡充です。JDA-DATの災害支援活動の中心は栄養相談を行ったり、調達した物資を適切な方に届けたりする物資搬送、感染症、食中毒を防止するための感染対策・対応なども行う避難所での巡回指導ですが、巡回する時に持参する乳児用液体ミルク、離乳食、やわらか食といった特殊な食品を調達・在庫管理・配送調整する場所を、特殊栄養食品ステーションといいます。特殊栄養食品ステーションでは管理栄養士・栄養士でないと解らない嚥下調整食、食物アレルギー対応食品等を集めて、適時適切に必要とする被災者に直接お渡ししていますが、能登半島地震のような特殊な地域において機動的に提供するためにはサテライトの設置が必要ということです。今回七尾駅前にサテライトを設置したように、平時から、日本栄養士会が栄養相談等を行っている各地の拠点としての認定栄養ケア・ステーションを活用したサテライト設置が必要だと感じています。

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