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産業機械部品の形状を精密に測定する新技術

共同通信PRワイヤー / 2024年10月3日 14時0分

産業機械部品の形状を精密に測定する新技術

接触式三次元座標測定におけるプローブ半径補正手法を開発


ポイント

・ モルフォロジカル処理により、小さな曲率半径をもつ形状の測定精度が向上

・ タービンブレードの断面形状測定に適用し、測定のばらつきがサブマイクロメートルオーダーまで低減できることを実証

・ 産業機械部品の評価精度向上と製造コスト削減に貢献


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410027474-O1-fnP07H2p


概 要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 工学計測標準研究部門 渡邉 真莉 研究員、佐藤 理 研究グループ長、松崎 和也 主任研究員、鍜島 麻理子 研究グループ付、渡部 司 上級主任研究員、尾藤 洋一 副研究部門長、高辻 利之 名誉リサーチャーは産業機械部品の曲面形状測定の信頼性を向上させる技術を開発しました。


産業機械部品の中にはマイクロメートルオーダーの精度で成型が必要なものがあります。発電機やエンジンで用いられるタービンブレードなどでは、設計形状からのわずかなずれが発電効率や回転効率に影響を及ぼすだけでなく、運転時にトラブルの原因にもなり得ます。そのため、成型された部品の形状は三次元座標測定機(Coordinate Measuring Machine; CMM)を用いて精密に評価する必要があります。しかし、接触式CMMを用いて数ミリメートル以下の曲率半径をもつ曲面形状を測定するとき、半径1 mm程度の有限の大きさのプローブ球を用いる測定の原理上、数マイクロメートルの誤差を生じることがありました。


今回、接触式CMMを用いた測定に、画像処理のノイズ除去や表面粗さ測定に用いられるモルフォロジカル処理を適用することで、測定のばらつきをサブマイクロメートルオーダーまで低減する技術を開発しました。また、この技術をタービンブレードの断面形状測定に適用し、測定のばらつきが低減することを実証しました。これにより、産業機械部品の形状評価の信頼性が向上し、加工精度などの品質や安全性の担保につながることが期待されます。


なお、この研究成果の詳細は、2024年9月11日に「Precision Engineering」にオンライン掲載されました。


下線部は【用語解説】参照


開発の社会的背景

産業機械部品の中にはその形状が産業機械全体のパフォーマンスを左右するものがあります。特に小型の部品においてはマイクロメートルオーダーの精度で成型が必要なものがあります。例えば、タービンブレードは表面の滑らかさはもとより、エッジ部の形状がタービンを通過する気体の流れに大きく影響します。設計形状である理想形状からのずれが大きいと気体の流れが乱れ、タービンの発電効率や回転効率が下がるばかりでなく、ブレードの破損を引き起こすなど、トラブルの原因にもなり得ます。産業機械部品の形状評価は、安全性をはじめとする産業機械の性能を担保するために重要です。

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