果物の王様ドリアン、開花の秘密は15日程度の乾燥にあり!
共同通信PRワイヤー / 2024年11月21日 14時0分
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1.概要
東南アジア原産で、果物の王様として知られる熱帯果樹ドリアンは、経験的に乾燥や低温によって開花が誘導されると考えられてきましたが、開花を誘導する具体的な気象条件はわかっていませんでした。東京都立大学大学院都市環境科学研究科の江口碧博士後期課程学生(日本学術振興会特別研究員)、沼田真也教授、Noordyana Hassan客員研究員(マレーシア工科大学上級講師)らは、緻密な現地調査を通じて、15日間降水量移動平均が1mmを下回るとドリアンの開花が誘導され、約50日後に開花が起こる可能性が高いことを明らかにしました。また、ドリアンの開花メカニズムは、東南アジア熱帯雨林で見られる一斉開花現象(多くの樹種が不定期に同調して開花する現象)で見られる樹木の開花メカニズムと類似することも示されました。本研究の成果は、開花時期や収穫量の予測などドリアンの栽培管理の効率化に貢献するだけでなく、東南アジア熱帯雨林の生態や進化の解明に寄与することが期待されます。
本研究成果は、2024年11月12日付でSpringer Nature社が発行する英文誌International Journal of Biometeorologyに掲載されました。本研究はJSPS科研費22J21299、東京都立大学派遣留学生経済支援制度の助成を受けて行われました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411190243-O2-63dMZhFW】
2.ポイント
・15日間降水量移動平均が1mmを下回った約50日後に開花開始のピークが観察された。
・半島マレーシア南部では、15日程度続く乾燥は年に数回見られ、一斉開花現象を誘導する気象条件(30日程度)よりも高頻度で発生していた。
・異なる繁殖型(接ぎ木タイプ、種子栽培タイプ)間で開花フェノロジー1)の違いは見られなかった。
3.研究の背景
その芳香と見た目が特徴で、果物の王様として知られるドリアン(Durio zibethinus L.)は、東南アジア原産の果樹です。主にタイ、マレーシア、インドネシアで栽培されています。ドリアンは、特にマレーシアの果樹生産量、生産額のうち最も大きな割合を占め、近年は中国への輸出需要増加に伴う市場拡大が見込まれているなど、経済的に重要な果樹として注目されています。そのため、ドリアンの生産量や環境への応答は生産管理や気候変動の影響を理解するために重要ですが、研究はあまり進んでいませんでした。
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