最先端材料科学研究:機械学習によるポリマー合成条件の最適化
共同通信PRワイヤー / 2024年11月29日 11時0分
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実験の自動化を併用し劇的に効率化
2024年11月29日
Science and Technology of Advanced Materials: Methods
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411290811-O1-5C95tUED】
図の説明:フロー反応系(模式図)。それぞれのボトルには、モノマー(スチレンStかメチルメタクリレートMMA)と開始剤(ADVN)を溶かした溶液が入っている。それぞれの溶液がポンプでマイクロミキサーに送られ混合され、ウォーターバスで加熱され重合が進行する。液送速度やウォーターバスの温度はPCで制御される。
プラスチックをはじめとするポリマーは、包装や自動車、医療機器、光ファイバーまで、生活や産業の多くの場面で不可欠です。ポリマーの性質は、それを構成する化学単位であるモノマーの多様な個性に大きく依存するだけでなく、モノマーを適切に化学反応(重合)させないと望みの性質は得られません。 しかし、モノマーが重合しポリマーに至る化学的挙動を制御することは一般的に困難でした。
奈良先端科学技術大学院大学の藤井幹也教授率いる研究チームは、機械学習を用いてポリマーの重合プロセスを解析することで、重合条件の最適化を自律的に実現し、時間と費用のかかる実験行程を劇的に減らすことに成功しました。この研究成果は、学術誌『Science and Technology of Advanced Materials: Methods』に掲載されました。
研究チームは、スチレンとメチルメタクリレートを1:1で含んだ共重合体を合成目標に選びました。機械学習を実施するためにはデータが必要なため、実験データを迅速かつ効率的に生成するための実験システムを設計しました。反応開始剤を加えた溶媒に、スチレンとメチルメタクリレートのモノマーそれぞれを溶解させた後、フロー合成と呼ばれる手法で条件を変えながら自動で重合実験を実施するシステムです。これにより、加熱時間、反応時間(流量)等が正確に制御された均一な混合を実現でき、機械学習に望ましいデータを取得することに成功しました。
重合プロセスにおける5つの主要変数(開始剤の濃度、溶媒とモノマーの比率、スチレンの仕込み割合、ウォーターバス温度(反応温度)、および反応時間)に対してベイズ最適化を適用したところ、わずか5回の計算サイクルで、最適な重合条件が導かれました。その際、驚くべきことに、溶媒中のモノマー濃度が混合するモノマーの割合と同じくらい重要な変数であることが明らかになりました。
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