2026年春、京都・祇園に開業する新規ホテル 「帝国ホテル 京都」に名称決定
共同通信PRワイヤー / 2025年1月29日 14時0分
●外壁の保存
景観継承の観点から南西面の外壁を残す必要があったほか、施工中の安全性も考慮し、構造体の解体と補強が並行して行われました。また、外観の特徴である軒庇の保存、外装材であるタイルとテラコッタの保存・再利用も行っています。
●銅板屋根の復元
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501283454-O2-y2j6c198】
弥栄会館の外観で印象的な屋根は、劣化していたため新たに作り変えました。銅板を使用して、オリジナルの形状と寸法を忠実に再現しました。時間経過とともに金→茶→黒→緑と変化し、やがて工事前のような屋根色になることを想定しています。また、軒丸の“歌”の刻印も復元しています。
●外壁タイルの保存
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501283454-O3-zhrClIpU】
地元の人達や観光客の目につきやすい南西側の外壁のタイルの大半は、剥落防止措置を行いそのまま残した部分と、“生け捕り”し再利用して貼り直した部分から構成されます。“生け捕り”とは、再利用を前提に、既存の材料に損傷を与えないように取り外すことです。本工事では、外観を構成していたオリジナルのタイル16,387枚(解体前建物全体の10.6%)を生け捕ることができました。
●外壁テラコッタレリーフの保存
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501283454-O4-BR4aH7B4】
外観のもう一つの特徴が、壁面の装飾部材であるテラコッタのレリーフです。状態の良い物はアンカーピンを打ち付けてそのまま固定し、修復が必要なものは一度取り外し塗装を施し再利用しています。
文様は自然や和を感じさせる唐草文様の一種「宝相華(ほうそうげ)」です。
弥栄会館(やさかかいかん)
1936年(昭和11年)竣工
2001年(平成13年)より国登録有形文化財
2011年(平成23年)より歴史的風致形成建造物(京都市指定)
歌舞練場を補完する目的と「社会の進展に適應する會館の必要を感じ」(『弥栄會館建築趣旨草稿』)建設された。鉄骨鉄筋コンクリート造、地上5階地下1階建の劇場建築で設計は大林組の木村得三郎による。各階に銅板瓦葺き屋根をかけ、塔屋状の正面中央部は付庇(つけびさし)や宝形造屋根(ほうぎょうづくりやね)が城郭の天守を思わせる造形で、和風意匠の伝統を巧みに織り込んでいる。当初、演劇や人形浄瑠璃などに用いられたが、その後、映画館やダンスホール、コンサートなど各種興業にも利用され、地域の人達から親しまれてきた。
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