戦国時代を探る発掘調査は「どきどきの毎日」 京都・綾部の文化財技師
京都新聞 / 2023年9月27日 16時0分
豊臣秀吉に命じられ、明治維新まで13代にわたり山家藩主を務めた谷氏の屋敷、山家陣屋があった京都府綾部市広瀬町の山家城址公園。廣富亮太さん(29)が発掘調査のため、重機で掘り下げた粘土層に目を凝らす。「ここには何もなさそうだ」。準備段階で遺構や遺物が見つかることもあり、入念に確かめる。
丹波を平定する明智光秀に滅ぼされた大名、和久氏は陣屋跡近くの山城を治めていたが、戦国時代の綾部は分からないことが多い。「陣屋跡に重要な手がかりがあるかもしれず、遺物が出てこないかと、どきどきの毎日」と楽しそうだ。
綾部市教育委員会の文化財技師として2020年度から、市が国史跡指定を目指す陣屋跡の発掘を担当する。昨秋には陣屋西側の高石垣から攻めてくる歩兵に向けて矢を放つ場とみられる遺構が出土した。陣屋の歴史的な意義について考古学の立場で分析する。
発掘の現場だけでなく、同市里町の市資料館で小中学生らに展示を案内する。熱心に耳を傾ける来館者に遺構や遺物の特徴など専門的な話を交えることもあり「歴史が好きになって、綾部で考古学を研究する人が出てきてくれば」と期待する。
宇治市出身。高校時代に戦国大名を取り上げた小説に出合い、歴史の虜になった。文献には残されていない人の営みを学ぶ面白さがあると、大学では考古学を専攻した。京都市の文化財保護課の嘱託職員などを経て、綾部市に採用された。
府北部で大規模な遺構が見つかることは少ない。ただ綾部市内には戦国時代の山城跡が非常に多く、地元豪族と侵略した権力者との間に大きな争いがあったのではないか、と胸を躍らせる。「山城跡から戦国時代の綾部を解明できる可能性はある。新たな魅力を発見できるかもしれない」と目を輝かせる。
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