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相談者の「ご飯食べてみようかな」にホッ 滋賀「いのちの電話」15年 相談増加で負担も

京都新聞 / 2023年9月28日 6時30分

県内の人々から寄せられる不安や悩みに耳を傾けるボランティアの相談員(滋賀県内)

 悩みや不安を抱える人の言葉に電話で耳を傾ける「滋賀いのちの電話」が8月で開局から15年を迎えた。相談日を増やしたことに伴い相談件数は増える一方、ボランティアの相談員の不足に直面し、相談員の負担軽減も課題となっている。

 英国発祥の「いのちの電話」は、国内では1971年に東京で始まったのをきっかけに全国に広がり、現在は50の拠点で実施されている。滋賀では2008年8月に始まり、翌09年には運営団体であるNPO法人「滋賀いのちの電話」が設立された。開局以来15年間で5万件以上の電話相談を受け付けてきた。

 相談員は無償で、今は30~70代の45人が務めている。さまざまな悩みへの対応が求められるため、2年の養成講座の中でうつなどの精神疾患への理解や傾聴の技術を学ぶ。

 相談員歴3年の60代女性は「最初辛そうだった人が話を聴いていくうちに、最後『ご飯を食べてみようかな』と言ってくれて安心した」と話す。一方で「『自分の行き場がない』と言われ、そのまま電話を切られた時は、その後どうなったのか引きずってしまう」と打ち明ける。NPO法人は、相談員の精神的負担を考慮して相談員一人につき原則月2回、1回あたり3時間半の活動に抑えている。

 開局当初は日曜だけだった相談日は、21年9月から週4日に拡大し、21年の相談件数は過去最多の5873件に上った。一方、毎年、相談員養成講座を開いているが、昨年度は申し込み人数が少なかったため、開講されなかった。相談員不足の影響から、昨年の相談件数は21年より400件減少した。

 NPO法人は現在、10月8日から開く本年度の相談員養成講座の受講者を募集している。三上房枝理事長(72)は「人の声に共感し、電話に耳を傾けられる人に応募してもらえたら」と呼びかけている。

 講座の希望者は9月30日までに申し込む。「滋賀いのちの電話」のホームページ掲載の申込書に記入して、メールsind@gaia.eonet.ne.jpまたはファクス077(552)1281へ。

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