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フリースクール発言問題の滋賀・東近江市長「深く反省、謝罪したい」 定例会見で「配慮の足りないワンフレーズ」

京都新聞 / 2023年10月25日 10時56分

会見する東近江市の小椋市長

 滋賀県東近江市の小椋正清市長が県首長会議などで「文部科学省がフリースクールの存在を認めたことにがくぜんとしている。国家の根幹を崩しかねない」「不登校の大半は親の責任」などと発言した問題で、小椋市長は25日の定例会見で「フリースクールに行かざるを得ない方、運営している方にとって、配慮の足りないワンフレーズで傷つけることになった。深く反省し、謝罪したい」と述べた。

 児童や生徒の不登校をテーマにした17日の県首長会議での発言以降、小椋市長が会見を開くのは今回が初めて。

 市の施策の発表があった後、小椋市長の発言があった。

 小椋市長は「10月17日の私の発言について、手厳しい報道がなされた。誤解を与えるような言い方をしたのも事実。その上でしっかりとこの国が抱える重要な問題につながっていると認識している。市長に就任して以来、学校の義務教育などに心血をそそいできた。今この日本はだんだん弱体化している。国力を回復しなければならないという思いで施策を推進してきた。基礎自治体として、市民に身近な立場として、強い子どもをつくっていかなければらないという思いがずっとあった。現時点でのフリースクールが教育を補完するのかという疑問がある」と述べた。

 続いて、「この国は教育を受ける権利がある。保護者の観点から普通教育を受けさせなければならない義務付けもある。学校にやらせるアクションを起こせるのは親だけ。その言葉が、それが大半の責任は親だということにつながった。これは社会の問題。大半の責任は親であるというのは思っていない。フリースクールに行かざるをない方、運営している方にとって、配慮の足りないワンフレーズで傷つけることになった。深く反省し、謝罪したい」と謝罪の意向を示した。

 「文科省による支援がないまま、現状のままでフリースクールに支援することに対して抵抗を覚えた。滋賀県も同じ方針である。県首長会議の全体の中で5分もしゃべられない。わきのあまさがあった。ワンフレーズで、親御さんに対し、フリースクール設置者に対してお詫び申し上げたい。マスコミに対し、フリースクールの位置付けや基準や枠組みについてもっと調べて報道してほしい」とフリースクールの制度的な枠組みについて、改めて疑問を示した。

 「親の責任が大半」という発言については「学校に行かせるアクションは親にしかできない。その原因について、不登校の原因が親だということははっきり否定する。ただ親にはリスポンジビリティーがある。そういう点で親に責任があると言った」と釈明。そのうえで「 生きる力を作っていかないといけない。義務教育の在り方、しっかり論議していただき、枠組みをつくって示していただきたい。その問題提起をさせていただいた」と強調した。

 一方、記者から「結果的にフリースクールの関係者を傷つけたような発言。不適切ではないのか」との質問が出たのに対し、「不適切ではない。私は制度の問題のことを言っている」「100ゼロではない。義務教育がフリースクールに逃げていいのかというのは国家にとって大変な問題」「撤回して何の意味があるのか。私は信念をもって発言した。傷つけたことには謝罪すると言っている」などと発言そのものを撤回することは否定した。 

 小椋市長の発言を巡っては、県内外のフリースクール関係者らから失望の声が相次ぎ、発言は不適切として撤回を求める動きが広がっている。

 盛山正仁文科相は20日の記者会見で「望ましい発言とは考えていない」と話した。「われわれとしては、全てのお子さんに学びの機会を享受していただけるように努力をしていく。お子さんがすくすく育ち、学べる環境を、国や地方、教育関係者が整えていくことではないか」と語った。

 滋賀県の三日月大造知事も24日の記者会見で「居場所や学びの場としてフリースクールに通う子どもがおり、運営している方々もいる。そうした人たちに対し、配慮や思いを十分に持った発言ではなかった」と述べた。

 一方、小椋市長は24日に報道陣に対し、「フリースクールに通う子ども、親御さんには誤解を与えた。それは舌足らずであったということで申し訳なく思う」と話す一方で、「(自身の発言に関して)謝罪はしていない。謝罪する必要がなんであるの」と話していた。

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