社説:亀岡市長3選 理念をいっそう成果に
京都新聞 / 2023年10月25日 16時0分
亀岡市長選で、現職の桂川孝裕氏が3選を果たした。自民党や公明党に加え、無所属の地元衆院議員の支援も受け、他の2候補を寄せ付けなかった。
24年ぶりに3人が争う選挙になったが、投票率は約36%で前回のほぼ横ばいと振るわなかった。大きな争点が提示されず、市の将来像や課題に対する論戦が盛り上がらなかったのは残念だ。
2期8年の桂川市政の評価が問われた。市のふるさと納税の寄付額は、返礼品の充実などで2022年度が34億2500万円と右肩上がりで毎年度伸びている。
この財源を元に、老朽化する市営火葬場や文化資料館の建て替えなどを計画。18歳以下の医療費や第2子以降の保育料の無償化など子育て支援にも取り組んだ。
環境面でも、全国初となるプラスチック製レジ袋の提供禁止条例の施行などで環境問題に熱心な自治体として注目されている。「30年までの使い捨てプラごみゼロ」の目標は野心的といえる。
次々と打ち出す新しい施策が、地価が高騰する京都市などから子育て世代を呼び込んでいる面はあろう。20年余り続いていた亀岡市外への転出超過は、21年から転入超過に転じた。
ただ、ふるさと納税は毎年見込んだ寄付額が集まるとは限らない不安定な財源である。子育て支援のように継続的な支出が必要なソフト事業では、依存の危うさを指摘する声が少なくない。
プラ製レジ袋提供禁止条例は施行から3年目だが、効果の検証はこれからだ。現状ではプラ類のごみ収集量は増えている。着実な減量への方策が問われよう。
人口が転入超過になったとはいえ、00年のピーク時からは約9千人が減っている。特に中山間地で少子高齢化が急速に進む。移動の足の確保などで地域差が広がっており、是正策が必要だ。
亀岡市は京阪神地域とのアクセスがよい上、サンガスタジアム京セラや保津川下り、嵯峨野トロッコ列車、湯の花温泉と独自の資源に恵まれる。これらを十分に活用した企業誘致や観光振興などで、ふるさと納税に頼らない財政基盤の強化やまちの活性化、人口減対策を図りたい。
選挙中、他候補側から「パフォーマンスが多い」など桂川市政を理念先行とする批判も聞かれた。多様な声に謙虚に耳を傾け、施策の効果には客観的な検証を導入してはどうか。市民に見える形で理念をいっそう成果にしてほしい。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
豊中市/京進/北おおさか信用金庫/事業構想大学院大学 「とよなか 暮らし・子育て輝き N1o.1プロジェクト研究」発足
Digital PR Platform / 2024年7月19日 17時0分
-
どれだけ自治体に?ふるさと納税 来年10月から仲介サイトでポイント付け禁止 余市町特設サイト立ち上げ
HTB北海道ニュース / 2024年7月9日 16時11分
-
「地方自治体に潤ってもらっては困る」絶好調のふるさと納税に総務省が"嫌がらせ"を繰り返す残念すぎる事情
プレジデントオンライン / 2024年7月5日 10時15分
-
宇都宮から宇宙へ! 宇宙ビジネス認定事業に対する企業版ふるさと納税の募集開始!
PR TIMES / 2024年7月1日 12時15分
-
楽天の三木谷氏は、ふるさと納税“ポイント禁止”に怒っている
ASCII.jp / 2024年6月28日 10時30分
ランキング
-
1ゆれる兵庫県庁 「解明が務め」と百条委、「自分も処分?」と疑心暗鬼になる職員も
産経ニュース / 2024年7月19日 20時1分
-
2コロナ「第11波」、変異株KP・3が主流 流行期入りで夏に感染拡大か
産経ニュース / 2024年7月19日 21時4分
-
3<独自>事務所資金から香典か 堀井学衆院議員の配布疑い 裏金が原資の可能性も
産経ニュース / 2024年7月19日 18時16分
-
4ユニクロでブラジャーなど大量万引き 1200万円超す被害 ベトナム国籍の女3人を逮捕・送検
ABCニュース / 2024年7月19日 19時2分
-
5愛知・犬山市で死亡した7歳女児の全身に多数のあざ…一時保護時に「パンチされる」と訴え
読売新聞 / 2024年7月20日 5時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)