京アニ事件遺族「妄想は理由にならない。無罪や減刑になるのは違う」 中間論告・弁論受け
京都新聞 / 2023年11月6日 19時15分
36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第16回公判が6日、京都地裁で開かれ、最大の争点である刑事責任能力に関する中間論告・弁論が行われた。閉廷後、遺族の一人が取材に応じ、「青葉被告が言う妄想はあれだけの事件を起こす理由にはならない。これで無罪や刑の減軽になるのは違うのではないか」と語った。
中間論告・弁論で、検察側は「完全責任能力があった」と改めて主張し、弁護側は「妄想の影響を強く受け、責任能力はなかった」と反論した。
事件で犠牲になったアニメーター寺脇(池田)晶子(しょうこ)さん=当時(44)=の夫(51)は被告人質問や精神鑑定医の証人尋問など、8回の公判を傍聴してきた。「闇の人物」「京アニの盗作」といったエピソードを直接聞いたが、大量殺人を起こすほどの異常な妄想には思えなかったという。
「誰でもありえる思い込みだと感じた。こんな理由で晶子や多くの人が殺されたと思うと、怒りを通り越して、悲しさと情けなさで一杯になった」
小学6年の長男には、心神喪失と裁判所に認定されれば無罪になると説明したが、理解できない様子だという。「まともな精神状態で人殺しなんてできない。妄想の影響と言うなら、被害者が多い殺人事件を起こした人は全員無罪になるのでは」と疑問を呈した。
裁判は11月27日から情状面の審理に移る。注目するのは、青葉被告の謝罪だ。「子どもの将来にとっては、謝罪があるかどうかは大きく違う。死刑や無期懲役といった量刑よりも意味がある」と考えている。
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