朝ドラ「ブギウギ」で注目「OSK」、思わぬ反響 サイト訪問は10倍に
京都新聞 / 2023年10月30日 7時45分
公式サイトのアクセスは10月以降、10倍以上に伸びた。想像を超える反響に、劇団関係者の声が弾む。
笠置シヅ子(1914~85年)をモデルにしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」がスタートし、出身劇団「OSK日本歌劇団」への注目が高まっている。
OSKは1922(大正11)年、松竹楽劇部として発足。宝塚と並ぶ関西のレビュー劇団として、大阪だけでなく、京都・南座でも戦前から親しまれてきた。
今春発行された「OSK日本歌劇団100周年誌」では「ブギの女王 誕生前史」として笠置シヅ子の特集を組んだ。笠置は1927(昭和2)年、13歳で入団した。
特集では、笠置シヅ子(当時三笠静子)ら少女3人が踊る写真が目を引く。29(昭和4)年の「春のおどり」の時らしい。OSKを基にした朝ドラの梅丸少女歌劇団(USK)でも新人3人が踊る場面があった。写真と似ているのがうれしい。
32(昭和7)年1月の南座公演のパンフレットには、17歳の笠置の和装姿の写真も載っていた。
翌年には、劇団員の待遇改善を求め、朝ドラでも描かれた「桃色争議」が起こる。高野山に10日間たてこもるストライキとなった。
こうした道を経ながらも、笠置は元気に歌い踊る歌姫へと羽ばたいていく。
現OSKトップスター・楊琳(やんりん)も朝ドラを楽しみに見ており、「古き良きOSKを追体験でき、勉強になる」と喜ぶ。
朝ドラでUSKトップスター・橘アオイ役を演じるOSKの翼和希は「100年前から受け継がれている魂や志は不変。お客様に肌で感じていたたきたい」と呼びかける。
南座では年1回のOSK公演を11月11~19日に開く。70分ノンストップのレビュー「Go to the future~京都から未来へ」では、光源氏ら京舞台の恋模様をはじめ、和洋を織り交ぜた歌やダンスが繰り広げられる。
OSKは2003年、当時の親会社の支援打ち切りで一時解散に追い込まれるなど苦難が続いた。それでも劇団員一人一人が街頭で署名を集めるなど「雑草魂」で百年の歴史をつないできた。
毎公演の最後にはテーマ曲「桜咲く国」を合唱し、劇団員が手に持つ「桜パラソル」が花開く。客席のファンも「桜ミニパラソル」を手に歌に合わせる。
今年は例年以上の花が開くだろう。京都の紅葉の季節に、桜が満開になる。=敬称略
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