一度は途絶えた滋賀県の伝統野菜「大薮かぶら」 復活させた男性の思いとは
京都新聞 / 2023年11月7日 15時13分
「煮物、漬物、サラダ…。葉っぱも食べられ、あらゆるジャンルの料理に使えます」。滋賀県の伝統野菜・大薮かぶら。その青々とした葉が広がる彦根市大薮町の畑で、普及に取り組む北村幾さん(79)が栽培仲間たちと間近に迫った収穫を待ちわびた。
大薮かぶらは直径15センチほどで、紫と白のコントラストが美しく、柔らかい肉質が特徴。昭和初期には、市内で100軒以上の農家が栽培していたが、栽培しやすい種類のカブが出始めるなどしたため、昭和40年代ごろに途絶えたという。
「地元伝統の野菜を復活させ、残していかないといけない」。北村さんらは十数年前から地域で栽培を開始。普及グループを立ち上げると、10軒ほどが取り組むようになり、栽培面積は約1500平方メートルに広がった。
無農薬で害虫対策が難しいが、今では年間4~5トンを出荷。地元のホテルや病院に卸すほか、スーパーで無料で配布したり、市内や近隣の町の小学校の給食などで食べてもらい、復活をアピール。おいしく味わう子どもたちの笑顔を浮かべ、また作業に精を出す。
食生活の変化で漬物の消費量が下がる今日、自身は漬物加工に力を入れる。「災害が多い時代。ご飯と漬物があれば、3、4日は暮らせるし、非常食としても食べてほしい」と願う。
普及グループのメンバーの平均年齢は80歳で後継者育成も課題だが、地元の彦根東高の生徒たちが課外活動で栽培に取り組むようになり、「新しいレシピを考えてくれたりして、頑張ってくれる」と目を細める。
普及グループは今年、市内のJAの直売所で種を配布し、市民らに自宅栽培などを呼び掛けた。種の採取も大変な労力だが、「おいしく味わって、栽培の面白さも感じてくれたら。それでこのかぶらが広まればなおうれしい」。彦根市大薮町。
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