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「このままではバスケが嫌いになる」Uターンした元Bリーグプロ選手が故郷の子どもと描く夢

京都新聞 / 2024年1月22日 9時30分

子どもたちとバスケットボールを楽しむ藤田さん(福知山市野花・川口中)

 夜の体育館にドリブルの音が響く。小中学生に交じり、身長190センチの体で華麗なボールさばきを見せる。「全員の動きを意識してパスを回して」。笛を鳴らし、一人一人にアドバイスを送る。

 京都府福知山市の母校川口中学校で毎週月曜に開いているバスケットボール教室SKY―F(スカイフ)。同市上小田の藤田兼士朗さん(31)は「勝敗やテクニックにこだわらず、目標に向かって仲間と力を合わせる楽しさを気付かせたい」と指導方針を語る。

 元プロ選手の経験を生かし、昨年11月に教室を始めた。鬼ごっこなど遊びの要素を練習に取り入れ、都市部と比べて競技人口の少ない市内のバスケット普及に力を入れる。

 「基本を身に付けることが上達への近道」が持論。感覚でプレーしていた現役時代と違って、技術を言語化して子どもたちに伝える難しさに戸惑うこともある。良い点を見つけたらすぐに褒め、気軽に話し合える関係づくりを心がけている。

 中学時代に競技と出合った。目まぐるしく変わる試合展開に魅了され、福知山成美高校、大阪学院大学を経て、2015年からBリーグの豊田合成スコーピオンズ(愛知県)で8年間プレーした。

 生産管理の仕事と競技を両立させる重圧に耐えながら、副主将としてチームをまとめてきた。年齢を重ねるごとにマネジメントの役割が増え、ベンチから後輩のプレーを見守る時間が多くなったという。「このままではバスケが嫌いになる」。子どもたちに教えたいという夢をかなえるため退職を決意し、昨年9月にUターンした。

 六人部中学校バスケット部やクラブチームでの指導など四つの仕事を掛け持つ。「地方でもバスケを楽しめる環境を整えることが元プロとしての役割。今後は指導者として支えてくれたファンや地域に恩返ししたい」。京都府北部からプロ選手を輩出することを夢に描く。

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