学校運営協議会に児童が参加する試み「子どもと話せるいい機会」 京都・南丹市
京都新聞 / 2024年1月29日 7時0分
京都府南丹市の小学校で、目指す地域像や育てたい子どもの姿について話し合う学校運営協議会の「熟議」に、児童が参加する試みが相次いでいる。従来は教師や保護者、住民で行ってきたが、世代を超えて車座で語り合うことで子どもにいっそう寄り添った活動を図る狙いがある。
協議会制度は、社会総がかりの教育を目的に全国に広がる。同市では全小中で設置しており、教師や住民が年1回、地域や学校の特長と課題について熟議を行っている。
大人たちだけでなく、より児童の思いに触れた活動にしようと、同市日吉町の胡麻郷小では2023年11月中旬、協議会役員など17人に、6年生18人を加えて、実施した。
6班ごとに地域の現状や15年後に目指す姿を語り合い、児童が発表した。豊かな自然や人情を保ちたいとしつつ「お年寄りとあいさつ以上の付き合いがない」「JR山陰線の本数が減って不便」と課題も挙げ、地域や学校の活気維持には世代間交流や公共交通が鍵になるとした。
参加した女性(79)は「子どもと話せるいい機会。意見を参考に、成長しても残ってもらえる地域にしたい」と話した。
美山町の美山小は、観光振興を話し合った昨年に続き、2023年10月20日に大人約20人と6年生約25人が学校づくりを議論。振興会と協力し祭りをする案や、教室の椅子が硬く疲れるとして「和室で授業をする」というユニークなアイデアが挙がった。
山田啓亮教頭は「子どもは大人とのつながりが強まり、地域の一員という自覚も高まった」と意義を述べた。来年度も続けたいという。
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